ラグビーのようにどんなチームも同じフォーメーションでプレーしなければいけなかった時代は、同じ戦略の下でプレーすれば個々の能力の差がそのまま試合結果に反映された。南米が強かったはずだ。
しかし、それを「“小国”が“大国”を喰うため」に考えられた戦術が、1974年のW杯で披露されたオランダの“トータルフットボール”だった。このサッカーは21世紀に映像を見返しても、「古い」とは思わない。
前線から最後尾までを30m間隔でコンパクトにした布陣の中で、流動的にプレーする。攻撃面での“3人目の動き”があり、守備面の“プレッシング”の原型などがある。どれも連動しなければできない戦術の類なので、現代サッカーはここから派生されたモノであるのも納得させられる戦術だ。
しかし、監督=リヌス・ミケルス、選手=ヨハン・クライフを主導に完成させたトータル・フットボールのオランダは、1974年のW杯で準優勝に終わった。
あまりに攻撃的過ぎたのかもしれない。頻繁なポジションチェンジによるパスワークは華麗で、相手を混乱に陥らせるのだが、相手ボールになってからのプレッシングを交わされると、自分達も混乱しているようにも見えた。
それだけ攻撃面から構築していった戦術だったのだ。