古代ローマ帝国 アウグゥストゥス帝の名を冠した古都
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欧州の伝統的な食べ物でお馴染みのクリスプ·ブレッド。ブレッド=パンなのだが、北欧ではクラッカー状の薄い形状のパンのことそう呼んでいる。一方南欧でクリスプ·ブレッドといえば、まず頭に思いうかべるのはドゥルセソル社の製品。鼻腔を蕩かすのはオレガノの香り。まずはそのままひとくち。お薦めは塩とオリーブオイルを少々加味して頬張ってもらうと良い。ビールでもワインでもアルコールのおともにお薦めする
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1950年代にヴァレンシア近郊のヴィラロンガで創設された同社。そこから現在はスペインを代表する食品メーカーへと発展。このトマト味を初めて口にした時、「まいう~」と漏らした気がするような、しないような。ただ欧州の食べ物のはフットボールと相通ずると感じた印象は今になっても変わらない。
ポルトガル第三の都市ブラガにあるエスタディオ·マイウ~・・・ではなくマイオ。
古の都にスタジアムが誕生したのは1950年。外壁、外構部、更には全席石段なので座布団を持参したいところ。石積みを目の当たりにすると竣工まで四年を費やしたのにも納得。1974年カーネーション(無血)革命により独裁政権に終止符が打たれた際、現在の1·デ·マイオ(5月1日)=メーデーへと名前が変更されている。
カバー写真の麦酒は日本でも入手しやすいスペインビールの代表格“エストレージャ·ガリシア Cerveza(セルベッサ)·エスペシャル”の小瓶。その名の通り、スペイン最北西部ガリシア州アコルーニャで醸造されている。スペインの中でも特に異端の文化が色濃く息づいているのがガリシア。その昔ゲルマン民族の大移動でイベリア半島にガリシア王国を築いたのはスエビ族の民。500年頃は、現在のポルトガルあたりまで領土を拡大する。この頃移住者の最大の集約地となったのがブラガ(当時のブラカラ·アウグスタ)で、スエビ(ガリシア)王国の首都として繁栄した歴史が息吹く。確かにブラガからならばリスボンよりもアコルーニャのほうが遥かに近いしヴィーゴまでなら車で二時間もかからないか。
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ブラガ市内に到着してみるとドゥルセソル社のロゴ入り車両を複数見かけた。スペイン国外、フランスやイタリアでも販売はしているのだからまあ不思議ではない。島々を含むポルトガル国内のプロモーションを手掛けている販売代理店のホセ·マヌエルD.フレイタス社はブラガ所在の企業。キーボードを叩いてGOOGLEマップを開いたら表示された位置は北部と南部の二か所。いずれもスタジアムから1~2キロの距離にある。
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あの日あの時は■2018年4月15日。
二部リーグにエントリーしているブラガとヴィットーリア·ギマランイスのセカンドチームが対戦。紙面順位表に目を通すと16位と10位。一部リーグ昇格を目指すクラブと比べたところで、意味はない。ブラガ県ミーニョ地方の両クラブによるダービーとあって、三万人収容のスタジアム。スタンドから微妙な熱気も感じた観客数は300人程度だったろうか。
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ポルトガルのフットボールスタイルは隣国スペイン同様、基本細かく繋ぐ。ビルバオなど地域によってバラつきもある大国に比べ、全国ほぼ同じ志向。《個の力》を重視する傾向も強い。
さてこの試合も2トップと両サイドハーフに注目。すると16分に早くも先制点。センターフォワードが左に開いた状態で、サイドバックからのボールが中央に。エリア外に四人の敵ディフェンダーが並ぶ。右から走り込んだのは77番フランシスコ·トゥリンカォン:Francisco Trincão【1999年12月29日生】。
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