ヴェンゲルも攻撃的で面白いサッカーを志向すると同時に、同じ選手を長期的にチームに入れる事をしない。アーセナルの金銭的理由でもあるが、セスクやファン・ペルシーのようにヴェンゲルに才能を見出された選手たちも5年とたたないうちに他クラブに移籍している。
もしかするとヴェンゲル自身、選手のモチベーションが長く続かないことを理解しているのかもしれない。時期が来れば主力選手を放出し、下部組織で育てた主力選手を引き上げる。当然下部組織上がりの若手にはモチベーションが最大級に備わっており、扱いやすい。
その繰り返しでチームを上手く回しているのだろう。入れ替わりが激しい分優勝を狙うほどのチーム力を維持できないのは欠点だが、チームにマンネリ感を出さないためには最適なやり方かもしれない。
今回取り上げた監督3名は過渡期にある。監督としての格を上げて真の名将になれるか。それとも、ここでチームに新たな風を送り込めずに首を切られるのか。
監督の苦労にスポットを当てて試合を見るのも面白いかもしれない。