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訪問したのは昨秋。早朝ブリュッセル中央駅発の列車を20分で下車。まずは珈琲を口に含みたいがスタディオンのある南側は駐車場以外何も見当たらない。北側スタッションス広場に向かい「アメリカーノ」を注文。隣の席に座る老紳士と目が合ったので口角を上げる。途中眺めた通路壁面には地元出身の著名人の写真が並んでおり、その中の一枚にボールを手にした女性を発見する。
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ローラ·デ·ネーヴ:Laura De Neve【1994年10月9日生】は2012年にアンデルレヒトへと移籍する以前は地元デンデルEHに所属していた。2017年から国内七連覇と無双。’22年のUEFA女子欧州選手権にもローラをはじめディフェンダー三人、フォワード三人の最多派閥を形成していたのがアンデルレヒト女子。
駅からスタジアムは徒歩15分。周りに民家が立ち並ぶのはこの国でよく見かける風景。到着するとオランダ語でウェルカムの六文字。
リニューアル第一話の最初の写真はコレしかない。片側のゴール裏に客席はなく、収容人員は6,429人。08ー09シーズンは平均五千人を上回る
集客力を誇っていた。移籍当初は谷も面食らったと思うが、老紳士の話では三部時代、四~五百人が毎週末の見慣れた光景だったそう。
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カバー写真はリーフマンスの瓶をキャッチする美女。自身で撮影した写真のみで連載を成立させる拘りは同じ。芸能事務所の紹介から友人のご息女、欧州現地の取引先の方まで様々な美女が登場するが、すべて直接お目にかかって撮影した方達。チェリーやベリー系の果実ビールで女性の人気も高いリーフマンス。醸造所はアウデナールデで1679年に創業。北部のオーストフランデレン州に位置しており、デンデルレーウからだと列車で三十分の距離。西側ウエストフランデレン州のコルトレイクからでも一時間程度で着く。
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2024年のJリーグで台風の目となったのが昇格クラブのゼルビア町田。当初一年の予定を切り上げ国内に復帰した谷は町田の守護神として37試合に出場しリーグ最少失点に貢献。今季は完全移籍を果たしている。そんな谷がベルギーで唯一、デンデル·フットボール·コンプレックスのゴール前に立った試合こそ国外デビュー戦となるカップ戦。
■2023年11月1日(水)ベルギー杯七回戦=ベスト32。デンデルEH対KVコルトレイク
ジュピラープロリーグ開幕八試試合未勝利のコルトレイクも9節でセイクル、11節でクラブ·ブルッヘに勝利し徐々に調子を回復している。
注目は二試合ぶりのスタメンとなるコルトレイクのマッシモ·ブルーノ。紫のウェア姿を初めて見たのはモヒカンのようにサイドを刈り上げた髪型の二十歳。最後に見たのは髭を蓄えた六年前のシャルルロワ在籍時。撮影した写真の隣には顔の汗を拭うの森岡亮太の姿も。三十歳を過ぎた現在かつてのスピードは影を潜めたもののポジションを下げ中盤の舵取り役に徹している試合も。
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結局1-1から120分の費やしても決着はつかず。PK戦まで縺れたからゴールキーパーの見せ場となったが女神が微笑んだのは谷ではなくコルトレイクのトム·ファンデンベルフ:Tom Vandenberghe【1992年08月17日生】。この冬の移籍市場でコルトレイクの正キーパーを引き抜いたのは強豪KAAヘント。ジュピラーだけでなくUEFAカンファレンスリーグも勝ち残っているだけに出場できる可能性は低くないか。
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