その後オシム監督は倒れてしまい、オシム監督でのW杯を見ることはできなかった。個人的にオシムのサッカーは本当に好きなサッカーであった。ボールをポゼッションしつつ、後方から選手が追い越し、サイドから攻撃を仕掛ける。日本がここまで流動的に動いていたのはオシムの時が最初で最後だと思う。
私のオシムの再任要求度は90%である。
アルベルト・ザッケローニ(2010-2014)
南アフリカでベスト16に入った日本、それ以上の成績を期待されて呼ばれたのはイタリアの名将ザッケローニだ。
当時クラブであまり結果が残せなかったとはいえ歴代の監督の中では最も名前の知られた監督であろう。
そんなイタリア人監督が用いたサッカーはカテナチオではなくポゼッションサッカーを目指した。
当時代表のスタイルは香川、長友の左サイドからの崩しを右サイドの岡崎と中央の本田が仕留めるという形が多く見られた。また遠藤というゲームメイカーがいたことで中盤での落ち着いたパス回しができた事も特徴の一つだろう。ザッケローニ監督は固定したメンバーを好み大きな選手変更が極めて少なかった。私は日本が世界で戦うためにより慣れたメンバーで連携を高めていくというやり方は考え方としては良かったと思う。
W杯では結果が出なかったがそれは結果論であって、個の力で劣る日本が世界で上位に食い込むには連携を高め、チームで戦うことは必須であろう。
ただ、ザックのサッカーではあまりにもチームを固定しすぎた。W杯では主要メンバーの不調により、当時調子の良かった選手中心のサッカーになったことで、4年間築き上げたサッカーが本大会では全く見られなかった。
ザックの失敗は3つある。
- 本大会に選手の調子をピークに持ってこれなかったこと
- バックアップメンバーを育てることができなかったこと
- 特徴である左サイドを制圧された時のレパートリーがなかったこと
だ。