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バルセロナユースのスカウトが持つ慧眼とは

 ひるがえって国内でのセレクションはどうなのだろう。特にプレッシャーがかかった時の落ち着きや、すばやい判断が必要な時の的確な判断力といった資質を見抜くセレクションをしているのだろうか。「止める」「運ぶ」「蹴る」の基本技術が身についているかどうかはセレクションの第一段階だが、それ以降、どの程度まで見抜こうとしているのだろう。

 メンタルやブレインの資質いわば「サッカーセンス」を、プレーを見ただけで見抜けるかどうか、そのクラブの「目利き力」の差が問われる。

 私は、日本のクラブにも、10歳前後の少年の「サッカーセンス」を見抜いて、自信を持ってプロ契約に持ち込む「目利き力」を持ったクラブが現れて欲しいと思うが、それは100年の歴史の中で培った欧州の名門クラブだからこそ出来る「目利き」なのだろうか。日本では「まだ100年早い」のだろうか。

 ただ、日本の少年たちの中には、欧州名門クラブの「お眼鏡にかなう」少年たちが出始めている。「日本の目利き力はまだ100年早い」などと言っていると、才能豊かな少年たちはどんどん海外流出してしまう。才能ある選手を見抜いて国内で育てる「目利き力」を高めようという気概を持たなければ、いつまでたってもW杯ベスト8やFIFAランク15位以内といった目標は夢物語のままだ。

 今回のバルセロナとU-16日本代表の試合、二つの7-0は、このことを日本サッカー界に投げかけているのではなかろうか。