世界の1/3がシベリアに眠る輝きの原石
◇◇◇◇
ロシアのウクライナ侵略から二年半が経過しても一向に収まる気配はない。今更ながら思い知らさせるのは天然鉱物資源を有する巨大国家の経済力。戦後、国民の労働力で復興した我が国とは根幹からして異なる。日本国内では石油=中東アラブの印象が強いかもしれないが、生産·輸出共にサウジアラビアを上回る。ちょっと意外な気もするのはダイヤモンド。エドワード·ズウィック:Edward Zwick【1952年10月8日生】がメガホンを握ったアメリカ映画で世界が知った90年代の紛争ダイヤモンド問題。舞台はアフリカのシエラレオネ共和国。南アフリカ、コンゴを凌ぐアフリカ最大の産出国はボツワナ。
◆◆◆◆
しかしキンバリープロセスの発表によると、世界1位は不動のロシア。全体の三から四割を維持している。昨年の広島サミットで取り上げられたロシアダイヤの輸入制限。日本国でも、今年から経済制裁の一環として実施されているが来月から対象を拡大するらしいので対応に追われる取り扱い業者。
◆◆◆◆◆
前回に引き続き、荒木飛呂彦:Hirohiko Araki【1960年6月7日生】氏の漫画ジョジョの奇妙な冒険にふれる。1992年から95年とJリーグが開幕し日本国内に空前のサッカ-ブ-ム到来と同時期に連載されたのが第四部『ダイヤモンドは砕けない』。正直第三部の完成度が高過ぎて、作者も編集者も高いハ-ドルを越えられるのかと懸念していたら、あっさりクリア。第三部に勝るとも劣らぬ傑作に仕上がっている。旅をテ-マにした三部に対して街、真逆の日常、変わらぬの暮らしや営みにスポットを当てたのが正解。個人的にはイタリア人シェフ、トニオ·トラサルディーがお気に入り。凶悪なスタンド使いかと思いきやただのいい人のオチとは。
◆◆◆◆
161景はロシアの首都モスクワの北西に隣接するヒムキ市にあるアレナ·ヒムキ。2008年にオーオプン。翌年にはカップ戦決勝が行われている。ゲート前には英語表示のプレス案内。初めて訪れたソ連時代に比べれば、驚くほどこの国でアルファベットを目にする機会は増えている。
◆◆◆◆
注目のプレーヤーは左サイド、元ナイジェリア代表ブライアンイドウ·イドウ:Brian Idowu【1992年5月18日生】。ロシアで生まれ
両親はナイジェリア国籍。2018年FIFAワールドカップロシア大会、アルゼンチン、アイスランド、クロアチアと死の組3試合にスタメン出場。残り4分ロホのゴールが決まりアルゼンチンが奇跡の逆転で2位に、劇的なドラマの舞台となったのが、皮肉にもイドウの故郷サンクトペテルブルグ。写真はロコモティフ·モスクワ在籍時代。
◆◆◆◆◆
アマチュアクラブが合併して創設は1996年。ソ連邦の崩壊でヴィシャヤリーガ=ロシア語でトップリーグが誕生。1992年からFCスパルタク·モスクワが三連覇を達成しているから、Jリーグと創設以降の年月に大差はないが当時のレベルは大違い。’88年のUEFA欧州選手権では準優勝のサッカ-大国だった。
◆◆◆◆