2012年エデン・アザールが抜けたリールは穴埋めに20歳のクロナリディスを獲得する。移籍金は約80万ユーロ。もう少し吹っ掛けられた気もするが財政難のAEKは、この時資金が調達できなければ降格の危機的状況にあり、背に腹はかえられぬ懐事情。
しかしルディ・ガルシア監督も熱望したリール入りから間もなくベルギー2部のムスクロンへと貸し出されてしまう。
◆◆◆◆◆
2013年にパナシナイコスに加入すると、それまでのフォワードから、新たに与えられた攻撃的ミッドフィールダーの位置でセンスを発揮、チームメ内での地位を確立した。翌14年にはスタンダール·リエージュ、15年にはクラブ·ブルッヘと立て続けにUEFAチャンピオンズリーグ(CL)予選でベルギーのクラブと対戦する巡りあわせ。2年連続してベルギー勢に本選への道を阻まれたものの、雪辱を果たしたのが2017年。その間一端フランス2部ランス在籍もパッとせず、パナシナイコスに貸し出されるとCL予選の切符を置き土産に古巣AEKアテネへ。ランスへの支払いは約30万ユーロと報じられた。
◆◆◆◆
写真はブルッヘを敗り勢いづいたキトリノマヴリ(※ギリシャ語でイエロー&ブラックの意味)が、グループステージを決めたウィーンとの最終節アウェー戦を撮影。
クロナリディスは、昨季のアトロミトスで25試合に出場と典型的な内弁慶。ギリシャ国内では実績を残せても異国に馴染めない
レッテルを貼られてきたが、流石にトルコの2部のディフェンダーレベルで彼を止めるのは荷が重い。
トルコ二部からポルトガルの一部へ 輝きを取り戻した37歳
ヴァスコ·フェルナンデスVasco Fernandes 【1986年11月12日生】は、母国以外でもスペイン2部、ルーマニアでもプレー。2013-14シーズン、プラタニアスの左サイドバック時代には、パナシナイコスのクロナリディスともピッチ上で火花を散らしている。
◆◆◆◆
写真は2016年からのヴィトーリア・セトゥーバルFC時代に撮影。’19年に契約満了、移籍金が発生しない32歳の元ポルトガルU23代表をトルコ2部のウムラニエスポエルが獲得。21年冬母国のシャヴェス(2部)へ戻った時は正直彼が欧州のトップリーグでプレーする機会は得ぬまま現役を退くものと思われた。
◆◆◆◆
欧州各国でプレーする日本人フットボーラーが急増したのは個々の能力が向上したのは言うまでもないが、それ以上にエージェントの存在も含め、各選手が各国各都市各クラブの情報を事前入手しプライベートも含め環境への適応を重要視するようになったからだろう。郷に入れば郷に従へと口で言うのは簡単ではあるが、欧州を一括りにするのが土台無理な話。今や準備もなくギャンブルに挑む馬鹿はいない。
一昔前欧州で日本人が結果を出せなければJリーグのレベルが低い、某国から招いた助っ人外国人がJリーグで活躍しないと某国のレベルは低いと的外れな論調が蔓延していた。
◆◆◆◆◆