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ヴェンゲル監督就任後のアーセナルの歩み【黄金時代編】

4年連続タイトルを獲得。無敗優勝も記録した”インヴィンシブルズ(無敵)”

 “フェイマス4”も年齢を重ね、彼等が移籍や控えメンバーになっていく中、その変化は哲学を根付かせるチャンスでもあると捉えていたヴェンゲル監督は、独自のスタイルを貫く上で重要なサイドバックにはスピードと共に攻撃参加を頻繁に繰り返して90分間アップダウンできる走力とスタミナを維持出来る選手(アシュリー・コール)を配置。

 また、サイドMFにはロベール・ピレスというサイドだけでなく、抜群のテクニックで攻撃を組み立てる事が出来る想像力溢れる選手が加入した事で攻撃のバリエーションが豊富になりました。

 また、同じ北ロンドンに拠点を置く“お隣さん”トッテナム・ホットスパーのイングランド代表CBソル・キャンベルや、ブラジル代表として日韓W杯を制した直後のMFジウベルト・シルバという当時の人気銘柄となっていたワールドクラスの選手も補強しました。

 そして、何より1999年に獲得した際は俊足ウインガーであったフランス代表FWティエリー・アンリをヴェンゲル監督がセンターフォワードにコンバートし、プレミアリーグ得点王に4度も輝く大成功へ導いた事がヴェンゲル監督とアーセナルの名声を世界に轟かせる事になりました。

 この頃の大きな特徴としてはセンターラインにキャンベルやコロ・トゥレ、ヴィエラなどアンリも含めて黒人選手が増えた傾向が強く、現在のアーセナルの看板である華麗なパスサッカーを志向しつつ、黒人選手のスピードやパワーも兼備していた事が印象的でした。それが勝負強さにも繋がっていたのかもしれません。

 結果として、チームは2002年に4年ぶりのタイトルを再びプレミアリーグとFAカップの2冠で達成。2003年にはFAカップ連覇、2004年にはプレミアリーグを無敗優勝(26勝12分無敗)、2005年にもFAカップを制覇しました。

 特に無敗優勝したチームは「インビンシブルズ(無敵)」と呼ばれ、イングランドのトップリーグでのリーグ戦無敗優勝は115年ぶり。115年前のプレストン・ノース・エンドのリーグ無敗優勝は僅か11試合だったので、「イングランド史上初の無敗優勝」と言っていい快挙で、クラブにとっても黄金時代の到来となったのが「第2期・ヴェンゲルアーセナル」でした。 

 しかし、2006年の新スタジアム建設前後から主力選手の退団が続き、逆に新戦力としては即戦力となる実力者ではなく、17歳以下のユース選手を国内外から獲得して自前で育てる方針へ転換してやり繰りしていく時代へ。

 2005年に絶対的な主将にまで成長したMFヴィエラがFAカップ優勝を機に退団すると、翌年には初めて欧州チャンピオンズリーグ決勝まで登り詰めてバルセロナ相手に先制しながらも逆転負け。その試合を最後にピレスやキャンベルが退団。
 ついには2007年にアーセナルだけでなく、“プレミアリーグの顔”であったアンリまでバルセロナに移籍してしまいました。

バルセロナよりも美しかったサッカーも儚く消える無冠の年月

 主力の退団はさらに続き、数々のタイトルを獲得した選手が一気に抜けて行きました。
 しかし、建設資金の返済計画をしっかりと組みながら新スタジアムがオープンした上で、チームには優秀な若手選手もしっかり台頭。

 ユース年代で獲得して自前で育てたMFセスク・ファブレガスを中心に据え、2007-2008シーズンのチームは高い技術と想像力溢れる中盤を武器にする「世界で最も美しいサッカー」を披露しながらプレミアリーグ首位を快走。

 しかし、2月にFWエドゥアルドがバーミンガム戦でDFマーティン・テイラーから受けた悪質極まりないタックルで負傷部を見せられないほどの複雑骨折。以降、チーム全体が精神的な部分からか?ボール際のプレーでの消極的な姿勢が目立ち急失速。結局、3位で終了してしました。

 悪い事は続き、「世界で最も美しいサッカー」の最大の武器だった中盤から主力であったベラルーシ代表MFアレクサンドル・フレブとフランス代表MFマシュー・フラミニが契約延長交渉で高年棒を要求して決裂して移籍。
 さらに、チェコ代表MFトーマス・ロシツキは1年半離脱する怪我に悩まされ、自慢の中盤はたった1シーズンで解体となってしまいました。

 これで無冠も3シーズン連続。引き抜かれる選手の対象はタイトルを獲得し続けていた時代の選手だけでなく、まだまだ年齢的にピークを迎える前の若い選手にまで及んでジリ貧の状況に陥って来ました。無冠の歴史は8年も続くのですが・・・