37〗Stadion FK Viktoria Žižkov』プラハ

黄金の古都プラハに架かる数々の橋

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ヴルタヴァ川には多くの橋が架かり人や車が行交う。知名度において頭ひとつも二つも飛び抜けているのは最古のカレル橋。それ以外にも魅力的な橋が並ぶ黄金のプラハ。一本南側のレギー橋を渡りながら撮影した写真の奥に写っているのは更に南のイラースクーフ橋。カレルの北側にはマーネス橋があり、その北側には1905年に着工され三年後完成した長さは169メートルのチェフ橋。川幅が狭くなるのでプラハの中では最も短い橋なのだとか。ホレショヴィツェ地区と旧市街を結ぶこの橋は1961年まではジャラ=Jarrah材が用いられていた。雨に濡れると滑りやすく危険ということで舗装された。木目が美しいジャラちぇは豪州西部が産地の硬質木材。この時代に既に欧州に輸入されていたとは些か驚いた。アール·ヌーヴォー様式の彫刻が施されており、チェコで唯一のアール·ヌーヴォー様式の橋として文化遺産にも指定されている。この橋が記憶に残ったのはその名前。

チェフとヤナーチェクの名作は酔っ払いオヤジの旅

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チェルシーやアーセナルで活躍した名ゴールキーパー、ペトル·チェフ:Petr Čech【1982年5月20日生】とスペルは同じだが勿論彼の名前が由来ではない。 チェフはチェフでも橋の完成とほぼ同時期に他界した作家·小説家のスヴァトプルク·チェフ:Svatopluk Čech【21 February 1846年2月21日生–1908年2月23日没】。チェコの音楽家レオシュ·ヤナーチェク:Leoš Janáček【1854年7月3日生-1928年8月12日没】の代表曲に歌劇『ブロウチェク氏の旅』がある。チェフの小説を基にヤナーチェクがオペラに仕上げた作品。ビール好きの酔っ払いオヤジが月に住む芸術家と絡むストーリー。舞台の設定はプラハ城を囲む丘の上周辺=フラッチャニにある居酒屋。。ユーモアたっぷりの喜劇でも「月には税金も破産も窃盗もない」と語るブロウチェク。ソーセージ好きで豚肉を食べていたら批判されるなど、端々に社会風刺が垣間見える。初公演は1881年完成のプラハ国民劇場。

本年はフランスのジュール・ヴェルヌ。Jules Verne【1828年2月8日生-1905年3月24日没】没後百二十周年となる。『月世界旅行』を発表したのは1865年。日本では平安時代に今昔物語で月のウサギが登場する。人類が抱く月世界への憧れは古今東西変わらない。
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プラハhlavní nádraží中央駅に到着。西側に隣接した公園の先にはトラムの停車場。2番、7番、9番、26番左から来たらどの車両でも良いから飛び乗れば良い。ワンストップで下車するのだから。フシネツカで降りれば目の前がスタジアムの入り口。プラハ市内に数あるスタジアムの中でも、ターミナル駅からのアクセスが抜群に良いのがスタディオンFKヴィクトリア·ジジュコフ。一昨年訪問時に撮影したのがこの写真。《120let》の文字が示すとおり、創立からの歴史を物語る写真と文章が展示されていた。そのクラブ史に足跡を残した唯一の日本人は中村祐輝:Yuki NaKamura【1987年6月4日生】。’09年ルーマニアのCFRクライオバでプロキャリアをスタ-トし’12年冬にジジュコフと契約、帰国後はFC岐阜とジュビロ磐田でプレ-。’17年は家業を経営者に。
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