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イングランドサッカー協会、脳しんとうに関する規定を改める

 イングランドサッカー協会は脳しんとうに関する規定を改めることを発表した。
 これからは脳しんとうを起こし、意識を失っている疑いの起こった選手は、即交代を求め、その後回復したとしても、再び出場することはできないとのことだ。

 試合中の接触プレーで倒れた選手がしばらくの間立ち上がれず、チームメイト、救護チームが慌てて駆け寄るといった場面は時々見られる。昨季には対エヴァートン戦で、トッテナムホットスパー所属のGKウーゴ・ロリスが相手選手の膝が頭にあたり、一時的に意識を失ったような状態になったが、その後ロリスはプレーを続行すると言い、試合は再開された。このことは大いに話題になっていた。
 試合が白熱してくると、選手の動きが活発になることはもちろんのこと、ラフプレーも起こりやすくなってくる。
 しかし、選手らはチームのために自分がプレーするという信念の下、無理をしてでも試合を続ける場面がよくある。これは脳しんとうに限らず、流血などのケガもそうだ。一時的にはピッチを出ても、血を止める治療を受けピッチに再び立つ。そんな姿を見ると、「よし、戻ってきた!」と思うと同時に「大丈夫なのか…?」といった心配も出てくる。自分の好きな選手ならなおさらだ。
 選手自身が、プレーを続けたがる気持ちはよくわかる。それに対しOKサインを出すのは、選手だけでなく監督であり、審判もそうだ。審判は試合をコントロールしなくてはならない。であるから、今回の協会による明確な規定は、現場にとってはありがたいことではなかろうか。     
 ピッチから降ろされることに対し「まだプレーできるぞ」という選手・監督も出てくるかもしれないが、長いリーグ戦を見据えれば、下がるべきか、続けるべきかの選択は自ずと見えてくるのではないだろうか。選手はクラブにとっての財産だ。今回の規定を機に今一度、試合中の健康管理に目を向けてもらいたい。