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今季プレミアリーグ大展望 〜『超ワールドサッカー』コラボ〜

 猛暑が続く中、激しい夕立による大雨も多くなった今日この頃、筆者はサッカーキュレーションアプリ「超WORLDサッカー!PLUS」の担当者から欧州主要リーグの開幕に際して、新シーズンの展望や注目選手についての記事執筆依頼をいただきました。筆者は自他ともに認めるイングランド・プレミアリーグのファンであるため、本日はプレミアリーグの展望記事となります。

 昨季のイングランド・プレミアリーグはジョゼ・モウリーニョ監督の最就任2年目を迎えたチェルシーが開幕から順調に白星を重ねて首位を快走。 
 無冠に終わったモウリーニョ監督の再就任1年目で明らかになった補強ポイントとして、中盤の司令塔タイプのMFにセスク・ファブレガス、シーズン20得点以上が計算できるエースストライカーとしてジエゴ・コスタを獲得。
 ピンポイント補強でチーム力を確実に引き上げる中、セスクはリーグ最多の18アシスト、ジエゴ・コスタは怪我で3分の1を欠場しながらリーグ20ゴールを記録。
 チームとしてもプレミアリーグで「首位にいた期間」が274日という歴代最多記録を更新するほどの戦いぶりで2位以下を引き離す独走。5年ぶり5度目のトップリーグ優勝を果たしました。

盤石の王者・チェルシーを止めるのは?

 新シーズンは8月8日に開幕を迎えるプレミアリーグ。「盤石の王者・チェルシーに対抗するのは?」をテーマとする上で、昨季の順位表をご覧になっていただいてから新シーズンを展望したいと思います。


 
 ※順位赤はCL出場、緑はEL出場、青は2部へ降格

マンチェスターの両雄は例年と真逆~積極補強のユナイテッド、継続のシテイ

 王者・チェルシーが控え選手の整理と、コロンビア代表FWラダメル・ファルカオ・ガルシアをレンタル移籍で獲得した以外は大きな動きを見せない中、まず、シーズンオフの移籍市場で積極的に動いたのは昨季4位に入って2季ぶりに欧州チャンピオンズリーグに出場する(プレーオフからの参戦)マンチェスター・ユナイテッド。
 昨季はブラジルW杯で3位に入ったオランダ代表の指揮官から転身したルイス・ファン・ハール監督の合流が遅くなったため、現有戦力の査定や補強ポイントの整理が曖昧なままに移籍期限ギリギリで大型補強へと動き、「パニック・バイ(衝動買い)」と揶揄されたものの、今季は的確に動いています。

 シーズン終了を待たずにオランダリーグ得点王の同国代表FWメンフィス・デパイの加入が決まると、プレシーズンが始まる頃にはバイエルン・ミュンヘンからドイツ代表MFバスティアン・シュバインシュタイガー、トリノからイタリア代表DFマッテオ・ダルミアン、プレミアリーグからもサウサンプトンのフランス代表MFモルガン・シュナイデルランを獲得。
 直近では、レアル・マドリーから徹底した引き抜きに遭っている絶対的守護神のGKダヴィド・デ・ヘアを1年後の契約満了まで残す覚悟を持った上で、アルゼンチン代表GKセルヒオ・ロメロも獲得。26年間も続いたサー・アレックス・ファーガソン体制下からの脱却も視界良好のようです。

 昨年のユナイテッドが最も苦戦したのは、その出場の有無で大幅に戦績が変化するイングランド代表MFマイケル・キャリックのコンディション。
 勝率に直すとキャリックが出場時の72%から欠場時は36%へと半減してしまい、もはや「キャリック・ユナイテッド」とも言える程。
 とはいえ、34歳になったキャリックにフル稼働は見込めないため、シュバインシュタイガーとシュナイデルランの獲得に至ったフロントの仕事は的確。あとはピッチ内で選手自身が活躍するだけ。
 もちろん、2年目を迎えたファン・ハール監督のチーム作りと采配がユナイテッド帝国復権の鍵を握っているのも事実。バルセロナ監督時代はモウリーニョをアシスタントコーチに従えた師匠として、弟子からの覇権奪回を目指します。