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サッカー王国の名に懸けて、J2降格はあってはならない

 現在、J1リーグ第27節を終えて清水エスパルスは16位。13位のベガルタ仙台とは勝ち点1の差、ヴァンフォーレ甲府、大宮アルディージャとは勝ち点で並ぶが得失点差の差で自動降格圏に沈む。アフシン・ゴトビ監督から清水の大榎克己監督に指揮官を変えたが、思うように成績は伸びなかった。

 就任からの成績は2勝1分7敗。苦しい戦いが強いられている。中でも、DF陣は深刻で、カルフィンヨンアピン、主将の杉山浩太、ヤコヴィッチが離脱。結局、今年の新加入したブエノと平岡康裕がDFを務めた。

 フォーメーションは、長年慣れ親しんだ4-3-3から3-6-1に変更。守備時には、サイドハーフの選手がDFラインに吸収され、5バックの形で守る戦い方で臨んだが、これが全く機能しない。

 5バック、一見守備型に見える方法だがサイド攻撃を中心とするチームには基本的にサイドで主導権を握ることはできない。攻め込まれると、もともとの3バックの選手は中央の選手をマーク。サイドハーフの選手は相手のサイドハーフを見る。ここでフリーになるのが相手SBのオーバーラップしてきた選手。ほぼフリーでクロスをあげられることが多く、サイドでは2対1の状況を作られる。ジャブのように繰り返されるサイド攻撃で失点。さらに、サイドハーフと3バックの選手の間にできたエリアをドリブルで持ち込まれる、どちらがマークにいくか曖昧となってしまい、そこから失点するケースが増えた。

 もちろん、守備にさく時間が増えると、おのずと攻撃の時間は減る。

 結局、ノヴァコビッチと途中出場の村田和哉のスピードに頼りざる負えない。個で得点するしか方法はなかった。

 しかし、26節のセレッソ大阪戦では4-4-2のフォーメーションを使う。

 開始早々に、石毛秀樹のゴールで先制する幸先の良いスタートをきる。前半だけでシュート本数は二けた。相手を終始圧倒し、快勝で勝ち点3を獲得した。セレッソが万全な戦力でなかったとはいえ、(U-19代表の南野拓実や累積警告の長谷川アーリアジャスールらの欠場)J1残留に向け、大きな勝ち点だった。

 高校サッカー選手権で優秀な結果を残してきた静岡だったが低迷。今回召集されている日本代表選手からは静岡組(静岡のJリーグチーム所属、静岡出身の選手)が消えた。
 ジュビロ磐田はJ2に。常に、表舞台で日本サッカーを牽引してきた静岡のサッカー。清水エスパルスのJ2降格で静岡サッカーの低迷を加速させてはならない。