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マインツでポジションを奪ったコロンビア代表FWコルドバ、奪われた日本代表FW武藤の現在地

 2018年のFIFAロシアW杯出場を目指すアジア最終予選で苦戦している日本代表。ここまで4試合を終えて2勝1分1敗でグループBの3位。2位以上がW杯出場権獲得のストレートインとなるため、現在は圏外だ。

 最新のFIFAランクでも51位となっている日本は、アジアの枠で見ても5番目に過ぎない位置になっている。これが「妥当」なのかもしれない。 

 そして、欧州を舞台とする各国リーグでプレーする「海外組」日本人選手もまた、各クラブで苦境に陥っている。

 ドイツのマインツでプレーするFW武藤嘉紀もまた、負傷による長期離脱を機にレギュラーポジションを奪われた。

昨季前半戦で7得点小さくない衝撃を与えた武藤

 FC東京時代は左サイドMFやウイングとして頭角を現した武藤は、抜群のスピードを活かした個人での局面打開力と共に、次第に得点力も発揮していった。勢いそのままにレギュラーを奪って半年も経たない間に日本代表にも初選出・定着となっていった。そして、そのポジションは徐々に重大な役割を占める2トップの一角や1トップとなっていった。

 昨夏から加入したマインツでは加入当初から1トップを担い、開幕第2戦から先発に定着。リーグ前半戦だけで7得点を挙げ、第11節のアウクスブルク戦ではハットトリックまで達成する衝撃的な活躍を披露した。

 欧州全体を見渡しても運動量が多いブンデスリーガの中でも、「最も走行距離が多い」マインツ。それは最前線でチームを牽引する1トップにも要求される。FC東京U18時代はサイドバックも経験している武藤は、その経験がハードワーカーの多いチームでも活かされたのだ。

 しかし、そんな快調な前半戦とは打って変わり、ウインターブレイクを挟んだ後半戦の3戦目、武藤は右膝外側側副靱帯を部分断裂。その後、復帰を目前に控えながらも同じ負傷をぶり返してしまい、結果的に後半戦を棒に振る長期離脱となってしまった。

 そして迎えた今季。武藤は戦線に復帰したものの、まだまだ本人も「20分やるだけでも負荷がかかる」状態。そのため、先発出場の機会は減少していた。しかも現在は負傷で再離脱している。

武藤の長期離脱でチャンスを掴んだ、コルドバ

 そんな武藤の長期離脱中にポジションを奪ったのは、ジョン・コルドバ。昨季夏の移籍市場期限ぎりぎりでスペイン1部リーグのグラナダからレンタル移籍で加入し、今季から完全移籍に移行した23歳のコロンビア人FWだ。

 昨季の前半戦ではチームにフィットするのが遅れたものの、後半戦に武藤の負傷によりチャンスを得たコルドバは、ドイツの絶対王者=バイエルン・ミュンヘン戦での金星を挙げる決勝ゴールを記録するなど、強豪相手にも印象的な得点や圧巻のパフォーマンスを披露した。

 武藤と共に今季で2年目を迎えるコルドバの強みは、188cm85kgという屈強なフィジカルを活かしたキープ力により、前線でボールを収められる能力。スピードもあり、ドリブルでの局面打開力も兼ね備えるため、カウンター志向の強いマインツにピッタリのプレースタイルを持っている。178cmの武藤よりも10cm身長が高いコルドバは、同じロングボールでもハイボールも収められるため、チームがボールを奪った瞬間により基準点になりやすい。

 それらがマルティン・シュミット監督にも評価され、武藤が戦線復帰した今季開幕以降も先発に定着している最大の理由だろう。

武藤のレギュラー奪回の機会は?

 ただ、武藤にもレギュラー奪回の機会は多くありそうだ。

 昨季リーグ6位で終えたマインツは今季、UEFAヨーロッパリーグに出場している。近年は1部に定着しているとはいえ、国内リーグと欧州カップ戦を並行するにはまだまだ選手層が薄いマインツでは、チームに所属している選手ほぼ全員に戦力として活躍する機会が与えられる。