移籍金は選手の価値を表し、ベイルもロナウドもそれに見合うだけの活躍をしてると言えるだろう。
しかしサッカーは値段の上下で語れるほど簡単な競技では無い。100億円以上かけたベイルより、その半分の額で獲得したイスコの方がチームに貢献しているとファンは考えているのだ。
イスコはイニエスタを彷彿とさせるボールプレーヤーだが、最近はディ・マリアのようにピッチを縦横無尽に走り回って攻守に顔を出し続けている。それこそがレアルに欠けている「汗かき役」だと感じているのかもしれない。そしてファンも敏感にそれに気付き、イスコの重要性を認めているのだ。
恐らくベイルが負傷から復帰すれば、再び3トップはBBCに戻り、中盤の3センターはクロース、モドリッチ、ハメスの3枚になるだろう。80%ものファンが出場を望むイスコがベンチスタートになるのだ。
アンチェロッティもイスコの重要性には気付いているはずだ。しかし、ある意味でクラブのスターであるペレス会長からは100億円以上かけて獲得した選手をベンチには置くなと指示が出ているはずだ。
アンチェロッティもまた、ペレス会長を陰から支える汗かき役なのだ。
マドリーではいつ汗かき役の首が切られてもおかしくない。そんな悪条件の中でもチームのために走り抜く。今回のクラシコの勝利に、誰よりも汗をかいたイスコの存在があった事を忘れてはならない。