欧州から風格を漂わせキング帰国
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空港にはドラマがある。予期せぬ偶然の再会に大声をあげたり涙を流す人を目にする機会もこの場所では然程珍しくはない。昨年5月の羽田空港第二ターミナル。国際線専用の第三に比べれば運航本数も少なく喧噪から離れて原稿をタイプしていたら見覚えのある御仁が颯爽と通り過ぎる。反射的に携帯のレンズを向けた先にはポルトガルから帰国した“KING”三浦知良:kazu【1967年2月26日生】。
プロ生活四十年目の節目を迎えた今年。現役続行宣言は最早新年の恒例の風物詩。横浜FCからの期限付きの移籍で今季もアトレチコ鈴鹿に。
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アルトゥール·ジョルジェ:Artur Jorge【1946年2月13日生-2024年2月22日没】氏が昨年2月22日リスボンで鬼籍に。間もなく一周忌を迎える。この名前を聞いて2022年から昨年までポルトガル一部のSCブラガを指導したアルトゥール·ジョルジェ 【1972年01月01日生】を思い浮かべるのは若者。オジさん、否爺さん達にとっては’87年のUEFAチャンピオンズ杯決勝でバイエルン·ミュンヘンを破った名将のほう。
レジェンドの一周忌を偲び思い出すのは
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息を引き取ったのは首都の病院でも北部ポルトに生まれFCポルトでプロデビュー。引退後もFCポルトの監督に就任。個人的には’85年のチャンピオンズカップの印象が強い。9月17日ヨハン·クライフ:Johan Cruyff【1947年4月25日-2016年3月24日没】率いるアヤックスに2-0の完勝。一週間後のアウェー戦をスコアレスドローで乗り切り一回戦を突破したのだが二回戦ではFCバルセロナにアウェーゴール差で惜しくも敗退。母国の代表チームを率いる前にスイス代表を1995-96年指揮していた。パリサンジェルマン=PSGの監督も二度経験している。然し故ジョルジェ氏といえば、やはりあの日の出来事しかない。
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第六話はキプロス北部のニコシア地区ストロボロスにあるGPSスタジアム。
キプロスのクラブが初めてUEFAチャンピオンズリーグ予選を勝ち抜いてグループリーグに登場したのは2008年のアノルトシス·ファマグスタ。キプロス第二の規模、南東部にある港湾都市のクラブ。翌シーズンはAPOELが首都のクラブとして意地を見せキプロス勢が二年連続して
グループリーグに。
地中海のクラブに開かるイベリアの壁
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FCポルトに連敗を喫しアトレティコ·マドリードには1敗1分。初勝利が期待されたGPSスタジアムでのアトレティコ戦は、先制しながらポルトガル人のシモン·サブローザ:Simão Sabrosa【1979年10月31日生】に決められてしまいドロー。
2011-12シーズンにも本選グループリーグでFCポルトと同組になっており、出場最西端の青竜、APOELは最南端、トルコまでフェリーを利用し陸路で移動するならばその距離5000キロに位置するクラブとの対戦。それを苦にせず本当に移動してくるのがAPOELサポーター。兎に角熱い声援を欧州本土でも知られれている。こちは翌13年フランクフルトで撮影した。
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