ポゼッション+2トップの個人技の“最強”の方程式
ガンバ大阪が7年ぶりのACLベスト8進出
ACLラウンド16第2レグ
ガンバ大阪3-2FCソウル
(2戦合計)6-3
【得点者】
<ガンバ大阪>パトリック(16分)、倉田(45分)、リンス(86分)
<FCソウル>ユン・ジテ(57,92分)
【FCソウル】「韓国らしくない」
“新しい韓国”を象徴する先鋭集団
勝点10で並んだ3チームの当該チーム同士の直接対決の結果により、F組首位で通過したガンバの決勝トーナメント最初の相手はグループH2位通過のFCソウル。前回王者のウエスタン・シドニーFC、前々回王者で現役ブラジル代表のリカルド・グラウを獲得した広州広大、日本の鹿島アントラーズが同居する“死の組”と呼ばれる最難関のGSを突破してきた韓国が誇るビッグクラブです。
監督もジェフユナイテッド市原(現・ジェフ千葉)などJリーグでも大活躍した元韓国代表のエースFWチェ・ヨンス。もともと現在はイングランドでも活躍するイ・チョンヨンやキ・ソンヨン、ガンバ大阪でもプレーしたキム・スンヨンやイ・スンヨルを輩出した育成組織も評価されるクラブ。韓国のチームとしては珍しくテクニックやアイデアに優れるタレントが出てくるクリーンなサッカーをしてくるチームという印象。海外へ選手を輩出する一方で、2013年にはドイツを中心に11年海外でプレーした来たチャ・ドゥリ、最近ではクラブのOBでもあるFWパク・チュヨンを獲得するなど外国籍選手よりも、ベテランの韓国代表選手により経験値を注入するクラブの姿勢も独特のカラーが見えます。フィジカルバトルでないため、「韓国らしくない」と言われるものの、“新しい韓国”を象徴する新鋭集団と言えるでしょう。
また、宇佐美の公式戦デビュー戦デビューゴールで沸いた2009年5月の対戦でも、キ・ソンヨンやイ・チョンヨンがプレーしており、おそらくこの対戦からは両チームに近い将来に欧州でプレーする、それも活躍できる選手が登場する見本市としてもクリーンなイメージがあります。
リスクを冒さないポゼッション+2トップの個人技で”望外”のスコア
第1レグのガンバは前半シュートなしで終わるも、Jリーグでは全く見せない両SBが高い位置を取って攻撃に幅を作る従来のポゼッションサッカーを披露する事で、中央のスペースや2トップのマークを剥がす戦い方を志向。後半に倉田秋の投入によりバイタルエリアで“3人目の動き”が出す事や宇佐美の圧巻の個人技からのゴールにより1-3と先勝。貴重なアウェイゴール3発を獲得。