ヨーロッパリーグ2回戦、プレミアのチームで唯一の生き残りとなったエバートンは、ディナモ・キエフとアウェイで対戦となった。
ホームで2-1と勝利したことでアドバンテージを持って敵地に乗り込んだ同チームだけに、突破はほぼ間違いないものと思われた。
しかし、蓋を開けてみれば中盤でのプレスはかからず、CBはマークを外す上に止められず、完全に機能不全に陥っていた。
特にディナモ・キエフのハーフウェーライン付近サイドからの長めのパスが簡単にトップに渡り、中へのつなぎからの崩しという形が面白いようにはまり、試合序盤から堤防の決壊は時間の問題と思われた。
結果としては5-2となったが、良かったと逆に思われる試合展開だった。
トフィーズはリーグでももはやEL圏すらも絶望的な状況に陥っており、現在のスカッドを保つ為にはELを優勝する他にない状況であっただけに、この結果はチーム首脳陣にも痛いだろう。
しかしながら、他のチームを圧倒できるだけの資金力を持っているはずのプレミア勢がここまで早い段階で全滅するとは予想していなかった。
選手の質は良いものの、戦術的に他のリーグに劣るというリーグの特質が最悪な形で表面化した結果とも言える。
これは何もトフィーズに限った話ではない。
リーグ首位をひた走るチェルシーですら、セスク・ファブレガスの前線の守備における部分が穴となってPSGとの競り合いに敗れたとも言えるだけに、リーグ全体での問題だろう。
これが終わりの始まりとなるのか、リーグ改革の始まりとなるのか、来シーズンの始まりまで待つほかない。はたして、プレミアはどこへ舵を切っていくのだろうか?