女子ワールドカップで日本は決勝で負けたが多くの共感を生み、成田だけでなく、地元やゆかりの地でも歓迎される姿などが報道されていた。
もちろんこれには様々な思惑や、逆に環境面で手つかずの問題が解決されないなど、全てを素直に受け入れる事はできないかも知れない。
しかし選手たちには何の責任もない。それはそれとして準優勝の労をねぎらいたい。
さて優勝したアメリカ女子代表チームがニューヨークを凱旋パレードを行い大歓迎を受けた。
日本が優勝した時の前回大会。東京でパレードがおこなれわなくて当時の石原東京都知事は激怒した時とは大違いだ。こうした対応の違いを見せつけられると、別な意味で悔しい気持ちを感じてしまう。
ただこの歓迎はアメリカにとっても特別な出来事であったようである。
ニューヨークで行われるパレードは、スポーツイベントに限らず、国家的記念行事や国民的ヒーロー(あるいはヒロイン)などを対象に行われる。宇宙飛行士が帰還した時や太平洋戦争勝利したときなど対象は広い。
しかしAFP通信によると、過去に遡ること、1886年にフランスから送られた自由の女神像の除幕式が最初のものである。今回のパレードはそれから数えて206回目、女性が対象となるのは1960年のスコールバレーオリンピック、フィギュアスケート優勝者で安藤美姫のコーチも担当したキャロル・ヘイス・ジェンキンス以来、また女子団体では初めてである。
一部で参加者は3500人という報道が流れているが、ツイッターなどに投稿された写真を見ると、どう見ても万単位である。メディアの露出も凄まじく、多くのトップを飾った。
しかし当のアメリカでもこうした現象は以外な事実として伝えられている。
New York Times(電子版)では、このニューヨークでの歓迎ぶりを専門家の意見を交えなながら次のような事実を論評を伝えている。
概略を述べると、アメリカ人は確かに多くのスポーツに関心がある。しかしそれがメジャーリーグであれ、NBAであれ、また学生スポーツであれ地元チームを応援するのが基本姿勢であった。
ワールドシリーズでもあっても、スーパーボウルであって基本的にその構造には変わらなかった。
しかし今回はナショナルチームへの祝福であることが最大のポイントである。
ここが日本人にはあまりピンとこないところかもしれないが、州ごとに、都市ごとに、そして民族ごとに独自のコミュニティーが多数存在するアメリカ。代表チームのもとに国民がひとつになることは珍しいという。過去これほど盛り上がったのは、冷戦時代のアイスホッケーでのソ連戦に匹敵するという。