この試合は正にイングランドサッカーを象徴するような内容となっていました。
前半20分。右サイドをスピードに乗って抜け出した選手がゴール前に低い弾道のクロスを出し、そのボールに21番のモルガン=アマルフィターノが合わせてゴールを決めました。
右サイドを飛び出した選手は既にスピードに乗っており、ボールタッチと同時に、更なる爆発的な加速で相手DFを置き去りにしました。
このプレイは正にイングランドサッカーそのもので、同クラブチームの殆どが、全力疾走からの更なる爆発的な加速。といった走りかたを選手に指導していたりするのです。
この為に、昔は『イングランドのサッカーは前に蹴って走るだけ』などと揶揄されていましたが、今でもそれは色濃く残っており、気持ちを前面に押し出したプレイが求められています。
余談ですが、クリスチアーノ=ロナウドもマンチェスターユナイテッド時代にはサイドから相手を置き去りにするプレイをよくやっており、ウェイン=ルーニーもそういったプレイスタイルでした。
さて試合ですが、スピードに乗った状態で鋭角に速いボールを出せば、こちらもスピードに乗って下がることとなるDFは、急には止まれませんから、モルガン=アマルフィターノは完全にフリーとなったのです。
2点目も、この、縦へのスピードが活かされていました。
対するマンチェスターシティの1点は、76分過ぎにダビド=シルバが右サイドからドリブルで切り込んで生まれたものですが、ウェストハムのDFは、ダビド=シルバが向かって来ると、シュートを打たれることを思って身体を背けており、この為、鮮やかに交わされたように観えたものです。
最近、目に見えてスペイン代表のサッカーが変わってきた要因の一つが、ダビド=シルバのこのプレイに見て取れます。
但し、試合の中でまだまだ消えている時間が長いので、もっとかかわるようになってくると、本当に恐い選手になるように思われます。