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高円宮杯U18チャンピオンシップ 柏レイソルU18 VS セレッソ大阪U18

 リードされたレイソルはポゼッションを基調としながらも、ユース所属ながらU20ニュージーランド代表に招集されているMFマイケル・デン・ヘイジャーを投入。強引さも出しながら同点を狙ったものの、セレッソのプレッシングは運動量が落ちず。さらに、シュートにまでは繋がりにくかったものの、前へ前への意識や、トップチームにデビュー済みで天皇杯ではゴールも記録したMF阪本将基がボランチの位置でボール際の競り合いをことごとく制して攻守を繋ぎ、集中力が途切れず。

 セットプレーからデン・ヘイジャーにチャンスが到来した終盤の決定機もその1回に抑え、結局90分通してプレッシングサッカーにとって重要なチーム全体の陣形がコンパクトなサッカーを貫いたセレッソが0-1で初優勝。トップチームよりも先にビッグタイトルを獲得しました。

3連覇の鹿島の礎を築いたアウトゥオリの下、J2降格は育成型クラブのプラス要素として復権を!

 先日、来季からJ2へ降格するトップチームの監督にはパウロ・アウトゥオリ氏が就任する事が発表されました。2006年には鹿島アントラーズの監督として、日本代表DF内田篤人を高卒1年目の開幕戦から先発に抜擢するなど、たった1年で鹿島を去ったものの、翌年からの3連覇に繋がる重要な”種蒔き”をした指揮官は、柿谷曜一郎・山口蛍・扇原貴宏・南野拓実・丸岡満といった下部組織出身選手を近年にどんどん代表へ送り込んでいるセレッソには向いた監督だと思います。2005年にはサンパウロ(ブラジル)の監督として、欧州王者のリヴァプール(イングランド)を倒してクラブW杯優勝を果たしてもいますので、経験は十分に豊富。

 彼が鹿島の監督をしていた時、翌年の留任は濃厚だったにも関わらず、当時のJリーグ特有の移籍ルールに対して不満を大々的に言っていたのを思い出します。現在は契約満了の半年前からは他クラブと次の契約に対して交渉ができ、当然ながら移籍金もかからないのですが、当時は違ったため、彼はそのJリーグルールを公に批判していました。というより、Jリーグを馬鹿にしていました。

 でも、この批判は真っ当な意見で、現在は国際ルールに則したJリーグですが、当時のルールもあって鹿島はその頃まで他クラブから有力選手を補強する事がほとんどありませんでした。彼の強化プランと、伝統の鹿島流チーム編成が現ルールで噛み合ったかどうかは今となっては興味深いなのですが、このたび、セレッソで指揮をとるアウトゥオリ監督は注目の指揮官になるでしょうね。

 今季はトップチームの不振による監督交代がU18チームにも影響を及ぼしながらも高校年代の王者になったセレッソの育成力は本物のようですね。来季はトップチームに5人が昇格し、ヴィッセル神戸U18からもプレミアリーグWESTの得点王となったMF米澤令衣など合わせて高卒新人が7人加入する来季以降のセレッソの未来は明るそうです。

 逆にJ2に降格した事で、優秀な若手選手を抜擢しやすくなる事をプラスに捉えられるぐらいに、育成型クラブの底力を見せて、2015年にはガンバと新スタジアムで大阪ダービーを戦う事を期待して見守りたいと思います。

 レヴィ―・クルピ監督の退任も大きかったですが、やはりこの最強OBタッグ=代理人・ジルマール(元ブラジル代表で元セレッソGK)&梶野智元強化部長(元セレッソ主将MF)が抜けたのが痛いでしょうが、いったい何があったのか?降格が決定したホーム最終戦・鹿島戦では、梶野さんがVIP席ではなくゴール裏スタンドからお忍びでスタジアムを後にするという事態にまでなっているとは・・・。

 アウトゥオリほどの監督なら年棒も高そうですが、現在はブラジル代表のディレクターとなったジルマールは交渉に入ってくれて“友達割引”してくれたのでしょうかね?梶野さんがいないと関係ないか・・・。この2人がいれば、ガンバのFWリンス級のブラジル人選手を獲得するのに、(ガンバがリンスを獲得するのに移籍金1億円+年棒6000万円)、おそらく半額くらいになるのでしょうが。

 こうして書いていると、僕がセレッソの練習場にサンフレッチェ広島との練習試合があった時に行った際、梶野さんが携帯電話を3つ持ちながら、1つの電話には日本語で、もう1つではポルトガル語で会話していたのを思い出しました。

 そして、その電話をしている梶野さんを見た1週間後に獲得が発表されたのが、現在はヴィッセル神戸でプレーするMFシンプリシオでした。

 年棒6億円のディエゴ・フォルランというスーパースターとは違って、5000万円でブラジル代表経験のあるセリエA243試合出場のMFを獲得できるのは“最強タッグ”がいてこそでしょう。

 幸いにも独断でディエゴ・フォルラン獲得と、マルコ・ぺッツァイオリ前監督を招聘した社長は退任してくれました。クラブとしては上記のような育成型クラブとしてのノウハウと、リーグ戦終了後のファン感謝祭をタイとインドネシアにインターネット中継するなどの面白い企画もできるクラブ力はあるので、J2で良いチームを作ってくれるのを楽しみにしてます☆

 フォルランもアウトォオリほどの実力者が監督なら話し合いの末に残ってくれますかね?

 そうなると“アシノミクス”以上の特需がJ2で起きるのでしょうね。

 そして、何となくカカウにはガンバやFC東京で活躍し、先日はJリーグから功労賞を受賞したFWルーカスに似た雰囲気があるので、「契約満了までは残留します」と宣言しているカカウの活躍にも期待しています。