今回記事に取り上げる選手は何かと話題にあがる選手、柿谷曜一朗について書いていきたい。
今シーズン古巣であるセレッソ大阪に復帰した柿谷だが、彼の海外挑戦は失敗に終わったと言っても過言ではないだろう。
柿谷が移籍したチームはスイスの名門バーゼルで、チャンピオンズリーグにも出場するほどの国内では強豪のチームである。また若手選手がビッグクラブに行く際の登竜門のようなチームでもある。クラブの方針でも若手の選手を強豪クラブに売るというマネージメントもあるだろう。そんな中で柿谷は助っ人外国人という枠でチームに加入した。
私自身バーゼルの試合をすべて見れた訳では無いが柿谷自身が全く通用しなかったという訳ではないように思える。
ただ、海外挑戦失敗にはいくつか訳がある。スタメンを争った相手が悪かったのも事実だろう。若手のエンボロはここ数年でビッグクラブ移籍が噂されるほどの選手であった。若く、移籍金も見込める選手との争いに柿谷は残念ながら負けてしまった訳だ。
また監督の信頼も勝ち取れなかったことも柿谷の海外挑戦失敗のひとつに挙げられる。言語の壁を乗り越えられなかった結果としていくつかのメディアにも取り上げられていた。チームメイトからは技術の高さを称賛され、早く移籍をするべきだとも言われていたということは、チーム内での評価は決して低くはなかったはずだ。ただ、柿谷のプレースタイルはパウロ・ソウザ監督の構想外であったのだろう。
海外では全くといっていいほど結果を残せなかった選手が今シーズンJの舞台に復帰、それもJ2に所属する古巣のセレッソに移籍した。私はこの選択に大いに賛成する。
近年自分のステップアップのみを考え、プレーする選手が多い中で古巣のチームに移籍したことは非常にサポーターとしても嬉しい出来事であっただろう。年齢自体も半ばを迎え、代表復帰にも焦りが出始めるであろうこのときに、セレッソに移籍したこと自体が大きな選択であったに違いない。
ではこの選択は間違いであったのであろうか。私は正解であったと思う。柿谷曜一朗という選手をより理解しているチームで今シーズンは必ず結果を残すだろう。彼の技術はいまだに衰えていない。現在26歳の柿谷が再度海外挑戦をすることは難しいかもしれない、今回の海外挑戦が最初で最後であった可能性もある。
しかし彼にはJリーグ内で絶大なる存在感を放つ選手になれるだけの素質はある。彼にはJリーグを代表する選手になってもらいたい。先にも述べたがまだまだ彼の技術は衰えていない。抜群のテクニック、裏に抜け出す上手さ、決定力と彼の実力に疑いの余地はないはずだ。
気づけば柿谷のサッカー人生は挫折の連続だった。若くして天才と言われたプレイヤーは自身の素行により、J2というカテゴリーまで落とされた。そこから這い上がり、W杯に出場するまでの選手となった。期待を膨らませた海外挑戦は無惨にも散った。そして現在。柿谷はまたしてもJ2からの再スタートとなる。今回も柿谷曜一朗はこの苦境を打破するだろう。
天才と呼ばれた柿谷のサッカー人生はこれからだ。