67分、エリア内でスルーパスを引き出した浅野が突破してゴール前へ折り返し。これは飛び込んだMF柏好文がシュートを撃ちきれないものの、流れたボールをゴール前に詰めていた主将MF青山敏弘が流し込んで1-3。
これで集中力が切れた大宮は前後分断されたようになり、広島は空いた中盤のスペースを使って巧みに試合を運ぶ。さらに68分に同時投入された清水航平と茶島雄介が俊敏な動きを見せ、その上で隙を突いては73分に柏が抜け出して4点目。89分には右サイドの清水からのクロスがポストに直撃したこぼれ球をMF柴崎晃誠が詰めて1-5。
その後も終盤にピッチに立ったFW皆川佑介が相変わらず鋭い動き出しの良さからゴールに迫るなど、最終的には大差が付く試合へと持ち込んだ広島。昨季のJリーグ王者が今季リーグ初勝利を掴み取った。
「2チーム分の戦力」を証明した復活劇
まさに昨季のリーグ王者が昇格組にレッスンをしたような試合だった。
公式戦5戦未勝利が続いた広島だったが、ACLでの初勝利から3日後にJ1でも白星を掴んだ。徐々にチーム状況が安定して来ている。それも5戦未勝利の期間に20人もの選手を先発起用しているので、選手層やバリエーションが確実に拡がった状態でチームが好転している。(宮吉は21人目の先発出場選手)
シーズン開幕前から森保監督が口にしていた「2チーム分の戦力」という言葉が証明されているのだ。
JリーグとACLで大幅に先発メンバーを入れ替える事に対して、まだまだ“ACL軽視”や“主力温存”と批判される事が多いが、広島と森保監督はこれからもそれを結果で証明していく。代表ウィーク明けの広島からも目が離せない。