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クロップの辞任表明は、いずれ止揚するための弁証法的行動の一歩

しかし2015年4月15日、今期をもって自分することを表明した。
奇しくもバイエルンがポルトに対してひどい負け方をしたこともあって、
これだけでドイツサッカーの何もかもが決まっていしまうわけでもないんでもないのだが、やはり時代は代わり、刻々と変化すの最前線でのダイナミズムを垣間見た人もいたかもしない。

いずれにせよクロップは決断した。

さてこれをうけて、興味は来季のドルトムントよりも、一旦は現場を離れるクロップ監督の将来に向いてしまう。
ドルトムントは誰に監督が決まるにしても、その監督の実力にもよるが、新しい色へと染まっていき、次の時代を形成するのだろう。

でもユルゲン・クロップは才能ある指導者だ。
まちがいなくこのまま終わるような器の男ではない。
創造し、実践し、改良し、結果を出す人間だ。
自分の中の一つのサイクルが終わったと考えているだろう。

さすがに今は現チームを一つでも上へと向かわせるために、具体的には何も無いだろうが、しばらく現場を離れてすこし頭を冷やせば、いずれ嫌でもいろんなアイディアが次から次へを出てくることだろう。

ドイツの哲学者ヘーゲルは、何かの概念が生まれ、
それに対抗するアンチテーゼが出てきて
そしてその両方を乗り越える、新しい概念が生まれるダイナミズムのことを「弁証法」と呼び、その何かが生まれること自体を止揚(aufheben)と名づけた。

なにもこの事自体はクロップの専門特許ではなくすべての監督が通る道なのである。

一つの時代の終わりに一抹の寂しさはあるが、それは次の時代のための必然的な作業なのだから、しかたない。

サッカーは常に現在一番強い戦術の否定から出発するのだから。