8月16日に行われたプレミアリーグの開幕戦、ウェストハムVSトッテナム戦でピッチに乱入する男現れ逮捕。
ウェストハムの本拠地であるアップトンパークでボールを蹴るのが夢だと話す被告。後の裁判で、305万ポンド(約5万3000円)の罰金が科せられた。
そこで判事が被告にかけた言葉が賛否両論の物議を醸している。それがこれだ。
「あなたは警備員に追われながら60mほど走り、ボールを蹴った。正直いってあなたは疲れていたのだろう。助走を長くとりすぎたね。夢を叶えたあなたは、もうこんなまねはしないよね」、と。
こんなこと日本であればありえないことだろう。彼はフーリガンとしても認識されなかったため、今後もスタジアムへの出入りも普通にできるようである。判事の言葉といい、処罰も極めて優しい。この一件に疑問視する人もいたが、それよりもこの寛容な判事に賛辞を送る声も大きかったという。
まさに、英国には「サッカーを文化」として認識している人がいるのだ。それはきっと、日本人が思うような生半可なものではなく、非常に熱狂的に、また狂信的までに愛している人もいるのかもしれない。
英国がここまで来たのは、きっと多くの時間がかかったに違いない。設立100年以上のクラブが多く存在する英国。今まで良いことも悪いことも色々な事件があったに違いない。だが、長い長い時間をかけながら、多くの人々の暮らしの中にサッカーが入り込んでいくことで、今日の「サッカー文化」があるのだろう。