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【図解】ドルトムントとユヴェントス〜運命の3月1日

では、このような展開をユヴェントスが許してくれるのだろうか。否、シャルケとユヴェントスの3−5−2は形こそ似ていても、成熟度はまるで違う。ローマとの一戦は1−1に終わったものの、ほとんどシュートチャンスを作らせていない。
シャルケとの大きな違いは、最終ラインから最前線までの守備意識の徹底ぶりだろう。シャルケのようにFWがフラフラと守備をする事はなく、全体が絶妙な距離感で守っている。ドルトムントも易々と縦パスを出せなくなるだろう。

ユヴェントスは、守備時に2トップが相手のボランチをマークし、相手のCBにボールを持たせる環境を作ってくる。フンメルスやスポティッチにも展開力はあるが、以前の記事でも触れたように「出す場所が無い」という展開になるだろう。
そして大事な首位決戦で3−5−2を採用したアッレグリの頭の中には、ドルトムント相手に同じ戦い方をする構成が出来上がっていると考えていい。というのも、簡易的に表現すれば4−3−1−2は攻撃重視、3−5−2は守備重視のシステムとなる。

ローマとのアウェイゲームで堅い3−5−2で負けない事を意識し、失点を0に留めたままでテベスのFKから奪った1点は、まさにアッレグリのプラン通りだったはずだ。2NDレグはドルトムントのホームでおこなわれるため、状況としては今回のローマ戦と似ている。
しかもドルトムントは1点のビハインドを背負っているため、攻撃的に出てくるだろう。アッレグリがイタリア仕込みの負けないサッカーを優先する可能性は大いにあるのだ。そうなった時、恐らくドルトムントは攻めあぐねる展開となる。お得意のカウンターを披露出来る場面もほとんどなく、課題となる遅攻から得点を奪わなければならない。

運命の2NDレグまで後2週間。本来あるべき姿に近づき始めたドルトムントと、4−3−1−2と3−5−2の2つのプランを磨き上げるユヴェントス。クロップとアッレグリの知将対決はすでに始まっているのだ。