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【図解】同じ4-1-4-1なのに、なぜオーストラリアの方が機能していたのか

 日本は前半35分からシステムを4-2-3-1に変更し、悪い流れを断ち切ろうと動いた。

 確かに前半はアンカーの長谷部の両脇を頻繁に使われていたし、それを防ぐためにボランチを2枚にした判断も悪くは無い。

 しかし、これが理由で攻撃が活性化された訳ではない。トップ下に香川が入ったものの、攻撃の形が劇的に変わった訳ではない。4-1-4-1から4-2-3-1へのシステム変更と言っても、変わったのは遠藤・長谷部・香川の配置だけだ。
 4-1-4-1の時に逆三角形の形となっていたものを、4-2-3-1では三角形の形にしただけに過ぎない。アギーレは3センターの三角形をいじる事でシステムの噛み合わせを修正したのだろうが、これはいたってシンプルなやり方だ。

 では、なぜ日本は後半に2ゴールを挙げたのか。この理由はシンプルなもので、オーストラリアが日本封じのために仕掛けてきたプレスの連続に疲労が出始め、足が止まったのだ。

 特にクルーズとトロイージの両ウイングは攻撃、吉田や森重へのプレスに加えて遠藤や香川のフォローまでする必要があり、疲れが出て当然だった。オーストラリアは攻撃時にもポジションを頻繁に動かしていたため、後半15分過ぎから足が止まってしまった。サッカーにおいて前半35分~後半15分は最も疲労が出る時間帯と言われているため、試合を見るときにはチェックすべきポイントだ。

 システム変更がハマった場合、それを指示した指揮官が称賛されるのは当然だ。

 しかし、本当に監督の所業なのかを見極める事が出来れば、もっとサッカーを面白く見る事が出来る。

 今回のアギーレのシステム変更は守備を意識しておこなったものであり、それが2ゴールに繋がった訳では無いという事だ。

 そして今回のオーストラリアが見せた戦い方は、アジアカップを戦うライバルへの最高の情報となる。

 今の4-1-4-1を継続しているだけでは優勝が難しい事を理解し、大会までの2か月間に新たな策を見つける必要がある。それこそが代表監督・アギーレの仕事だ。

 今度の代表戦は1月から始まるアジアカップだ。この時、相手がどんな日本対策を敷いてきたのか、それを打開する術を日本は見つけてきたのか。そこを見ながら観戦するのも面白い。