日本にはサッカーがまだ「文化」として根付いていない
Jリーグの観客動員数が増えない大きな要因の1つに、日本にサッカーが「文化」として根付いていないことが挙げられるだろう。
では、「文化として根付く」とはどういうことなのか?
これは、人それぞれ解釈があるから簡単に答えは出ないだろう。
私個人の考えで言えば、試合のある日も無い日もテレビをつければ、常にサッカーが放送されている状態やワールドカップを見るために、家を売ったり、仕事を辞めたりする人が多くいることが「文化として根付く」ことではないかと思う。
事実、ブラジルにはワールドカップを見るために、家を売ったり、仕事を辞めたりする人がいるそうだ。
そしてテレビをつければ、毎日のように当たり前にサッカーが放送されている。日本はどうだろうか?
Jリーグが地上波で中継されるのは、「開幕戦」や「最終節」と言った注目度の高い試合くらいだろう。
2015、2016年のJリーグでは、視聴率や観客動員数の伸び悩みを改善する目的で2ステージ制を採用したが、優勝決定戦であるチャンピオンシップの視聴率は10%以下の試合がほとんどであった。
優秀な選手はどんどん海外へ、Jリーグにはないビッグクラブ
これまでにJリーグは、中田英寿や中村俊輔、香川真司や本田圭祐、長友佑都など多く選手達を欧州のビッグクラブへ送り出した。
日本でプレーする多くの子供達は、本田や香川のように「海外でプレーして日本代表になりたい」と言う。その理由は何か?
自分なりに考えてみた。
出た答えは、今のJリーグには、レアルアドリードやバルセロナといった、500億、600億の売上を誇り、数多くのスター選手が在籍するようなクラブがないからではないかというものだ。
Jリーグで1番、売上の高い浦和レッズですらその額は年間60億前後で、欧州のビッグクラブの足元にも及ばない。
現在のJリーグではまだ、数百億を超える莫大なお金を生み出すことができないのが現状だ。
それでも2017年からイギリスの大手動画配信会社パフォームと10年で2100億円の大型放映権契約を結んだことで、前年度よりはるかに多くのお金がJリーグに入ってくることになった。
そのため、2017シーズンのJ1リーグでは、優勝倶楽部は3年間で総額22億円もの巨額のお金を手にすることができるようになった。これだけの賞金を払うJリーグの狙いは、世界に匹敵するビッグクラブを作り上げることだ。クラブに巨額のお金が入れば、当然選手達の給料を上げることもできるし、スター選手を獲得することもできる。
現在、J1の選手の平均年俸は1500万~3000万だ。
一方、欧州を見て見ると、選手の平均年俸ランキング1位のプレミアリーグでは、その額は約4億円にもなる。
2014年の各国プロサッカーリーグの平均年俸ランキングでは、日本はトップ10に入ってないのが現状だ。
ヨーロッパのほうが、レベルが高い環境で、スター選手ともプレーできてお金も多く貰える、そうなったら能力の高い選手が欧州でプレーしたいと思うのは当然だろう。
Jリーグをもっと盛り上げて、レベルを向上させるためには、ビッグクラブを作り出し、多くのスター選手が在籍し、海外の選手やクラブからサッカーを学び、自分達のものにしていくことが必要ではないだろうか?