【選手交代】
64分、FW13.野津田岳人 → FW14/荒野拓馬
79分、FW12.矢島慎也 → MF8.原川力
92分、FW9.鈴木武蔵 → FW11.金森健志
中2日まで迎えた大会5試合目となる相手は開催国となる永遠のライヴァル・韓国。閑古鳥が泣いていた過去4試合とは打って変わり、チケットは完売でアウェイ感満載のゲームに挑むにあって、日本はパレスチナ戦からMF原川力(愛媛FC)に替えて、2列目でハードワークが冴える矢島慎也(浦和レッズ)を起用し、システムは4-3-3から4-2-3-1へ変更。
開催国である韓国は日本より年長の23歳以下の代表チームで大会に挑み、オーヴァ—エイジも3人使用し、ACL優勝経験のある通称”ハンマー”の198cmの長身FWキム・シンロクや、日本代表FW岡崎慎司が所属するマインツでレギュラーとしてプレーしているパク・チュホもエントリーされています。そんな豪華メンバーの韓国は「優勝すれば兵役免除」となる大会に目の色を替えて挑んでいます。
試合の方は開始早々こそ日本は先発に抜擢されたMF矢島がエリア内に抜け出してパスを受け仕掛けたり、ミドルシュートを枠内に持っていくなど見せて対抗するも、徐々に大会の開催国で”ホーム”となる韓国に自陣に押し込まれます。
今までは観客が全く入らなかった試合会場にはチケット完売で満席。単純なロングボール、それも精度の低いロングボールにも大歓声が聞こえる後押しがあるという”完全アウェイ”。韓国はフィジカルの強さを活かし、Vファーレン長崎でプレーする最前線の長身FWイ・ヨンジェを狙ったロングボール戦法と、そのセカンドボールを拾ってのダイレクトな攻撃から攻勢を強め、セットプレーも連続して獲得。前アルビレックス新潟の左SBキム・ジンスのロングスローには水分を拭く用のタオルまで用意されている周到ぶり。
しかし、日韓関係のもつれから来るような日本選手へのブーイングはなく、純粋にサッカーの応援が行われているというクリーンな姿勢は、ゲームでも荒さは見せないクリーンな試合でした。
しかし、日本は相手右SBイム・チャンウに何度も翻弄され、マッチアップするはずの左SB秋野央樹(柏レイソル)が明らかに後手にまわって押し込まれて苦しい展開。19分にはそのイム・チャンウに右サイドを簡単に突破され、ゴール前中央へ速いクロス。中盤から入って来キム・ヨンウクにフリーで飛び込まれるも枠を外れて事なきを得ますが、このクロスを上げたイム・チャンウには試合を通して翻弄され続けました。
28分にも大ピンチ。右からのクロスの落としを植田直通(鹿島アントラーズ)がクリアミスし、ゴール前至近距離で相手FWに渡り、GKまで交わされてシュートを流し込まれるものの、ここはCB岩波拓也(ヴィッセル神戸)がゴールライン上でクリアし、何とか防ぎました。
日本は両サイドが下がってしまって攻撃はFW鈴木武蔵(アルビレックス新潟)とトップ下の中島翔哉(FC東京)の2人で行うような4-4-2のような陣形になり、効果的な攻撃が全くないまま押し込まれていたました。
それでも33分には遠藤が前が空いたと見るや、枠内にミドルシュートを持っていき、42分にも中盤で韓国に奪われたボールを遠藤が電光石火のボール奪取で持ち上がりショートカウンター。野津田岳人(サンフレッチェ)のシュートを演出するも、DFのブロックに遭うなどチャンスは作れませんでした。
ただ、韓国もロングボールによる放りこみ主体というよりも、それ一辺倒だったため、次第に対応に慣れた日本はCBの岩波&植田が跳ね返し、シュートもあまり浴びない展開のスコアレスで前半終了。
それでもボール際の激しさは両者共に出ており、韓国の方が負傷者を出して交代を1人出すほどの前半は見応えありでした。
耐えるだけだった日本がPKで韓国に屈する〜システムを変えて柔軟に戦ったが、アクシデントにも泣く〜
後半に入って早々は日本も高い位置でボールを回す時間帯が多かったものの、またしてもロングボール攻勢を強める韓国が次第に押し込む。その上で、韓国はハイボールだけでなくFWに当たるクサビのパスも使う事で起点を作り、セカンドボールや落としを拾ってからサイドへ展開する形を多用。そこでまたしても後手を踏んだのが日本の左サイド。秋野がポジショニングも準備不足のまま振り切られたり、ワイドに張る選手に付いていけない状況からクロスを幾度も浴び続けました。岩波と植田も跳ね返し続けたものの、韓国は今度はクロスの供給先をファーサイドに狙いを定めて日本の守備陣を揺さぶりにかかって来ました。