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新たな船出を迎えるなでしこジャパン〜高倉新監督のサッカーとは

「自由」と「責任」が共存する自立したサッカー

 そんな高倉監督が求めるサッカーのコンセプト自体は、佐々木前監督が植え付けたパスサッカー路線で、自ら主導権を握るスタイルなのは間違いない。
 ただ、佐々木監督時代のそれには、固定した主力メンバーによる阿吽の呼吸が存在した。だからこそ新戦力となる若手を登用しても、なかなか融合できずに世代交代が進まなかった。
 高倉監督のサッカーとは、「自由」と「責任」が共存するサッカーだと表現したい。サッカーだけでなく、仕事や私生活に置いてもそうだが、「規律」はグループや組織に対しての「責任」がつきまとうが、「自由」は個人に対して「責任」がつきまとう。ピッチ上での言葉に言い換えれば、「リスク」と「リターン」に置き換えられるだろう。
 考え方としては、レアル・マドリーのFWクリスティアーノ・ロナウドやバルセロナのFWリオネル・メッシは、「監督に守備を免除されているから守備をしない」のではない。彼等は、「自分の存在感を相手DFに意識させるため、自分が前線に残っていれば相手DFが攻撃参加できない」のを理解しているから守備をしない、という考え方だ。それは確かにリスクにもなり得るが、そのリターンは結果として返している。ハイリスク&ハイリターンかもしれないが、彼等は「自由」を与えられ、それを感じながら、同時に「責任」を求められてもいる。
 今回の代表メンバーで言えば、増矢理花や岩渕真奈、横山久美と言った個人で仕掛けられるアタッカーは、佐々木前監督時代には主力として定着できなかったが、「自由」と「責任」が共存する高倉監督の下で、彼女たちは自立した選手になる事が求められる。1つ1つのプレーで個人に責任を求められれば、自然と判断力も養われるだろう。
 今までは“なでしこのサッカー”があったし、今後もその路線を継続していく。ただ、それは自分達の意志で継続発展させていく。マニュアルは作るかもしれないが、もし作るなら自分達でそれも作る。個人も組織も大事。今までの日本サッカー界にいなかったタイプの指導者が高倉監督だ。
 志向するサッカーが攻撃的なのはもちろん、考え方が斬新なため、今後のなでしこジャパンが本当に楽しみだ。まずはアメリカとの2試合を楽しみに待ちたい。