Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/orfool/soccerlture.com/public_html/wp/wp-includes/post-template.php on line 293
no-image

期待を裏切る凡戦でも「勝っちゃう」チェルシー

期待を大きく裏切る凡戦 ピッチ内よりもピッチ外優先

イングランド・プレミアリーグ第33節
チェルシー1-0マンチェスターU
【得点者】
<チェルシー>アザール(38分)

6連勝中のマンU、11戦無敗のチェルシー

 2位のアーセナルより1試合少ないにも関わらず、勝点で7ポイントもの大きな差で首位に立つチェルシーが、6連勝で同3位まで遂に急浮上してきたマンチェスター・ユナイテッドを、チェルシーのホームである西ロンドンのスタンフォード・ブリッジで行われたビッグマッチ。

 そのチェルシーはリーグ戦ここ11戦無敗(8勝3分)で、その間にはリーグカップ決勝で現在プレミアリーグ得点ランクトップの若きイングランド代表FWハリー・ケーン(21歳)を擁するトッテナム・ホットスパーを下し、昨季からチェルシーに6年ぶりに復帰したジョゼ・モウリーニョ監督の復帰後初タイトルを獲得。逆に欧州チャンピオンズリーグではラウンド16で2試合ともドローの3-3ながら、アウェイゴール差でフランス王者のパリ・サン・ジェルマン相手に早期敗退。それも延長戦にまでもつれ込んだ第2戦は、相手のエースFWズラタン・イブラヒモヴィッチが前半早々に退場し、延長戦と合わせて90分近くを数的有利で戦った上での敗退となりました。

 プレミアリーグでは序盤戦から首位を独走しているものの、2015年初冬のトッテナム戦で5-3の衝撃的な敗戦を辺りから徐々に疲労の色が濃くなり、そうした勝ちきれない部分がCLでの早期敗退を招いたものと思われます。もちろん、プレミアリーグがクリスマスやお正月も休みなくリーグ戦が行われるために、他国リーグのようなウインターブレイクが全くないどころか、最も忙しい時期になるのもその理由だとは思います。しかし、日程は毎年恒例でシーズン前からも分かっていること。にも関わらず、チェルシーはリーグ戦の出場時間が1000分間を越える選手が11人しかいません。つまり“超”がつく固定メンバーでシーズンを回しています。それでもリーグでは得点があまり奪えない状態でも、そのトッテナム戦後の11戦を無敗で乗り切って首位を快走し、リーグカップとのシーズン2冠を確実にしているのですから・・・素晴らしい成績です。(いや、ベスト16でチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグに参加したイングランドのクラブが全て敗退したリーグ全体が危機的なのですが・・・どこかの国に似ている気がしますが・・)

 対するユナイテッドはブラジルW杯で母国オランダ代表の監督として3位へ導いたルイス・ファン・ハール監督が今季から指揮を執り、開幕直後には250億円という大規模な超大型補強をしたにも関わらず、システムもベストメンバーも試行錯誤の状態が続いていました。しかし、ここへ来てオランダ代表FWファン・ペルシーや、コロンビア代表FWラダメル・ファルカオ・ガルシアが不調や負傷で先発を外れ、イングランド代表でも主将を務めるウェイン・ルーニーが“派遣先”のMFから“本職”の最前線へ回る<4-3-3>が定着。また、ファルカオやアルゼンチン代表MFディ・マリアのような鳴り物入りで獲得した戦戦力よりも、リーグ7位と低迷した昨季に加入していたベルギー代表MFマルアン・フェライニと、スペイン代表FWファン・マヌエル・マタが確実に自身のプレースタイルを一新して主力へ返り咲き、ここへ来てトッテナムやリヴァプール、マンチェスター・シティを破ってのリーグ戦6連勝で3位まで急浮上しています。

負傷者続出のマンU、ドライ過ぎるチェルシー モウリーニョのプラン通り以上に「勝っちゃった」

 しかし、この日のユナイテッドにはイングランド代表CBフィル・ジョーンズやアルゼンチン代表DFマルコス・ロホ、オランダ代表DFダレイ・ブリント、イングランド代表MFマイケル・キャリックと、守備陣に一気に負傷者が続出し、攻守の要であるキャリックの戦列離脱により、再びルーニーが中盤起用という満身創痍の状態でこのビッグマッチに挑みました。

 チェルシーもリーグ19ゴールのエースFWジエゴ・コスタが負傷欠場しましたが、それ以外はベストメンバー。しかし、2位と7ポイント+消化試合1試合の差があるチェルシーのモウリーニョ監督は明らかに「引き分けでもOKモード」全開。1年前のリヴァプール戦で敵主将であるスティーブン・ジェラードが転倒した事で有名になったあの試合でも「ゴール前にバスを2台置いていた」と言われるドライ過ぎる専守防衛で挑みました。

 そして、肝心の試合内容の方は・・・やはり1年前のリヴァプール戦と同じように何もない・・・。何もない中、1年前はジェラードの転倒から奪ったボールから決勝点を奪ったのですが、この日は前半38分、スペイン代表MFセスク・ファブレガスが相手陣内で奪ったボールをバイタルエリアでブラジル代表MFオスカルが華麗なヒールキックによる落としでエリア内に突っ込むベルギー代表MFエデン・アザールへ。アザールが完璧なワンタッチコントロールからGKと1対1&GKにコースを読ませないドリブルの間合いを取りながら左足で蹴り込み、チェルシーが先制。コレがこの試合最初のハイライトシーンでした。

 チェルシーの1点リードで折り返した後半、チェルシーの専守防衛策は続きます。確かに、相手最終ラインの軽率なミスからのボール奪取でコートジボワール代表のベテランFWディディエ・ドログバが抜け出す決定機があったものの、ドログバのシュートと、そのこぼれた球に反応したアザールは決めきれず。さすがに負傷者続出のユナイテッドも反撃に転じたものの、好調だったマタを下げる不可解な采配もあって同点ゴールを奪えるような決定機はほとんど作れず。

 結局、モウリーニョ監督の思惑通り、いや、引き分けでOKなのに、「勝っちゃった」という内容のチェルシーの勝利で終わりました。これで2位のアーセナルと試合数で並び、残り6試合で勝点10ポイント差。次節はそのアーセナルとのアウェイでの“ビッグ・ロンドン・ダービー”で優勝争い直接対決が待ちます。