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男子東アジア杯第2戦、日本VS韓国 ~アジア相手の弱者のサッカーは受け入れるべきか否か?

 両チーム選手交代なしでスタートした後半。日本はデビュー戦の倉田が徐々に自分の持ち味であるプレー範囲の広さを出す事で攻撃の起点となり、何とかミドルシュートを撃てるぐらいまでは試合内容は改善。それでも守備専任にMFを1人使っている事もあり、攻撃の枚数が乏しく単発に終わるのみに終始。

 やや形勢を盛り返しつつあった日本ですが、65分に韓国が2人の選手交代をすると再び韓国に押し込まれ始め、特に途中出場のMFイ・ジャンスに細かい局面でのアイデアを駆使した仕掛けや突破を許すようになりました。68分にはFKからの折り返しを、そのイ・ジャンスのヘッドが炸裂する大ピンチもあり、「12人目の選手」であるクロスバーに助けてもらうのがやっと。彼にはその後も反転シュートで日本は脅威に晒されましたが、韓国の決定力不足にも助けられて何とか1-1の同点のまま試合は進みました。

 選手交代も遅い日本ベンチは、70分に浅野拓磨、79分に宇佐美、88分に川又堅碁と単純にFWだけを替えるだけの交代策は全く何ももたらさず。浅野はサンフレッチェ広島でのプレー同様に裏へ抜けるスピードと突破力を見せたものの、シュートを撃てる場面で撃てず。広島ではゴールを量産しつつあるものの、リードした状態で佐藤寿人と替わって出場する事が多い経験値ではこの舞台では乏しく感じました。

 そのまま1-1の同点のままドロー決着したこの試合の後、ハリルホジッチ監督は守備に手応えを感じさせながら、「強い韓国を相手にリアリストになる必要があった。」「今のところはこのようなところで満足すべき時もあると思う。」と納得の言葉を残したものの、親善大会でリアリストになる意味がどこにあるのか>全く何もテストできないままに終了した試合。これは日本サッカーのファンとしては、「受け入れてはいけない試合」であると筆者は強く言いたいです。

 しかも、それを世界相手ではなく、アジア相手にするとは・・・それもW杯出場権を賭けたアジア最終予選でもなければ、経験豊富な選手で構成された戦術戦をこなすようなメンバー構成ではなく、自分の持ち味をアピールしなければいけない選手達だけで構成されたチーム編成でする事に何の意味があるのか?北朝鮮戦は45%、韓国戦は38%しか記録できなかったボール支配率も、この「観るに値しないサッカー」を象徴しています。

 弱くなるだけなら応援できますが、観るに値しないサッカーをされるともう何も言えません。アジアカップで早期敗退したとはいえ、相手はW杯アジア最終予選常連のUAEでPK戦による敗退だったので、それくらいは許容範囲。それが最終予選にも出れないシンガポールにも勝てず、北朝鮮にも負け、韓国は格上と見なして「サッカーをしない」なんて、絶対に受け入れてはいけない試合です。

【選手採点&寸評:独断MOMはGK西川】

出場選手
選手 採点 一言
GK西川周作 6.5 ビッグセーブはそれほど多くはなかったが、押し込まれて精神的にも落ち着かない選手が多い中、77分に見せたような「落ち着け」とチーム全体に言い放てる存在感は絶大。
DF遠藤航 6.0 ブロック構築をする上で本職CBの彼がいる事は大きかった。すでに戦略上でも重要な存在になりつつある。ゲームセンス抜群で、フィリップ・ラームのような選手。
DF森重真人 5.5 PK献上のハンドは仕方なしとしても、主将として冷静さを欠く場面があったのは残念。それでもピンチの場面で戻りながらのファインクリアも連発するなど堅守を構築。
DF槙野智章 6.0 自陣に引いて守備ブロック形成を優先したとはいえ、196cmの長身FWキム・シンウクを封じ切ったマークには力強さを感じさせた。
DF太田宏介 5.0 自サイドで何度も1対1からクロスを供給されるなど狙われていた感も。得意の攻撃参加で自慢の左足クロスの精度は全く通用せず。
MF藤田直之 6.0 球際の強さやカヴァーリングで決壊しそうな守備網を何とか引き締めていた。ただ、それがアジアの戦いで求められるほど日本は弱者なのか?
MF山口蛍 6.0 凄まじい威力のミドルシュートで貴重な同点弾にして、代表初ゴール。彼自身もミスが多かったが、彼がいなければと考えると悲惨。
MF柴崎岳 5.5 怪我の影響か?不用意なボールロストや消極的なプレーが続いた。広島MF青山敏弘や、川崎MF大島僚太を選外にしてまで怪我明けの選手を連れて来ても、柴崎は犠牲になるだけだ。
FW永井謙佑(70分まで出場) 5.0 批判を浴び続けるプレー内容だが、あれだけのスピードを全く使わない周囲も大問題。
→FW浅野拓磨(70分から出場) 5.5 抜け出してシュートを撃てるタイミングで撃てず。それでも短い出場時間で可能性を感じさせるのは特別な才能だけに、次もチャンスがあるだろう。
FW倉田秋(88分まで出場) 6.0 前半は守備に奔走するだけの平凡なプレーに終始したが、後半は縦横無尽に動いてボールに多く絡み、何とか試合として成立させた立役者。
→FW川又堅碁(88分から出場) 短時間出場のため採点不可。パワープレー要員と言えるほどの強さや高さはない。
FW興梠慎三(78分まで出場) 4.5 ボールを収める事すら出来ず。プレスやチェイシングで相手の攻撃を限定する事も出来ず。
→FW宇佐美貴史(78から出場) 4.5 途中から出て来たのに走れない。守備力や走力を問題視しているのではなく、勝ちたいならボールを奪いに行くのではないか?