騒ぎを起こした問題の連中は完全に排除され、
主審は75分から試合の再開を決めた。
しかし一旦切れた集中力を取り戻すことは難しく、
残り15分プラス3分のアディショナルタイムを消化し結局1−1のまま終了し勝点1をわけあった。
ただただ残念な事態である。
拮抗したいい試合、しかも両国ともここまで負けていない。
グループGの行方を左右する大事な試合であり、
お客さんも期待をかけ大勢集まっていた。
これだけ舞台は整っていたのに一部のクロアチアサポーターがそれらをめちゃくちゃにした。
じつはこの試合、前半に一発ほどイタリアサポーターから発煙筒が打たれた。
そして後半のクロアチアサポーターからの大量の発煙筒。
そもそもなぜこれだけの量の発煙筒がもちこまれたのであろうか。
サンシーロの警備、ボディチェックはどのような体制になっていたのだろうか。
日本では想像すらできないが、外国人がこれだけの騒ぎを起こすことは本当に驚きだ。
サポーターが騒ぎを起こすことはサッカーの歴史のいわば影の部分だ。
サッカースタジアムは安全な場所ではなく、女性や子供が安心して観戦に来れるところでは無いとまで言われた。
近年になって各国やクラブ、協会などが様々な努力して治安の回復に取り組んできた。
フーリガンの問題が深刻化していたイングランドではとくに
38人(39人説もある)の犠牲者を出したヘイゼルの悲劇をきっかけに
反英感情が高まった結果、FAや英国政府は警備の強化、危険物の持ち込み禁止など
法改正を伴う改革を行った。
しかしフーリガンやウルトラスの問題の根底にはサッカーそのものにある問題というよりも
失業、貧困、経済格差、人種差別などもっと大きな社会問題が底辺があって、
サッカー関係者だけでは根本的解決が難しい面もある事は否めない。
またこうした活動を一種のカウンターカルチャーの一つと結びつけ
一方的な締め付けの強化に対して批判的な意見もある。