Foot ball Drunker 〔101〕visiting 『Rudolf Harbig Stadion』ドレスデン / ドイツ


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オランダで創立された東インド会社は日本にも1621年から来航、当初は主に銀を輸出、品目は徐々に増え1660年代からは陶磁器が加わる。

後にフランス人版画家のフェリックス·ブラックモン:Félix Bracquemon【1833年5月22日-1914年10月29日没】が、陶磁器が割れないようにつめられた緩衝材から『北斎漫画』を発見する。日本ではゴミ扱いだった葛飾北斎:Hokusai Katsushika【1760年10月31日生-1849年5月10日没】の版画が欧州で脚光を浴びたのは陶磁器のおかげ。


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人口55万人のザクセン州都ドレスデン。この街のクラブはブンデス三部のディナモ·ドレスデン。国家警察を意味する名称は、前話のミンスク、ザグレブ、キフ、モスクワ同様、この都市が旧社会主義国家に属していた証。
カバー写真にはエルツ山脈の天然水でつくるフェルトシュレースヒェン・ピルスナー。2016-17ユニフォームの胸ロゴは地元の麦酒醸造メーカー。

第101話はルドルフ·ハルビッヒ·シュタディオン。東独時代の旧スタジアムでも常時か2万人を動員していた地元での人気は今も健在。2000年には四部リーグ降格も経験しているがそんな事は関係ない。


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’09年に大規模な修繕を施した現在のスタジアムの収容数は三万二千五百人。三部で優勝した2015-16シーズンの一試合平均の二万七千五百人は兎も角、三部を6位でフィニッシュした2014-15シーズンでさえ二万二千七百人。安定した集客力どころか欧州主要リーグの三部レベルでは驚異的動員力。今季も現在2位と昇格射程圏内にいるから二万八千人ぺースを維持。1980年代末にライプチッヒやドレスデン市民の間で高まった民主化運動の波により東西ドイツを遮る壁は決壊した。当時からドレスデン市民が放つパワーは現在のスタジアムでも衰えることはない。


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さすがに現在三部のクラブでは選手名も思い浮かばないのだが、2017年から2シーズンを過ごしたボスニア·ヘルテツェゴビナ代表は覚えている。ハリス·ドゥリェヴィッチ:Haris Duljevic【1993年11月16日】はサラエヴォ出身。オーストリア戦で9番を背負いスタメン出場。身長185cmのウインガーが小さく見える隣のエディン·ジェコ:Edin Džeko【1986年3月17日生】がデカ過ぎやしないか。

ドイツはかつてオーストリア、プロイセン、バイエルン、そしてザクセンの四大国が並び立ってきた。
昨年南のお隣り、バイエルン州の図書館が『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』を、個人の収集家から購入したと発表。2025年に開催予定の日本版画の展覧会を企画しているので、世界で最も有名な日本の絵画目当てにかなりの集客が見込まれる。

東洋磁器に魅せられたアウグスト王の命により、ザクセン州のエルベ河畔『マイセン』のアルブレヒト城で欧州初の硬質磁器工房が誕生。欧州随一のコレクションを展示する日本宮殿まで建てているのだから、北斎が半世紀早く生まれていれば浮世絵に魅了されたアウグスト王は、コレクションに加えていたかもしれない。[第101話了]


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⏹️写真/テキスト:横澤悦孝 ⏹️モデル:久留実《Culumi》