ぷら~り 欧州蹴球場百景【113】シュテディオン・ナ・シホチ/ トレンチーン

それから一年半、生でプレーを見るのはこの日が初めて。気になる中盤の構成、背番号10はオランダ人。ローゼンダール出身のデズリー・ウビンク。エールディビジでの出場はなく、カザフスタンを経て2017年よりトレンチーンに。体躯を見る限りフィジカルは強そうだが、技巧は如何程のものか。

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もう一人はギオルギ・ベリゼ。ジョージア(旧グルジア)U19代表はベルギーのKAAヘントに誘われ2015年にベルギーの国境を越えた。ヘントからトレンチーンに貸し出されたのは2017年の冬。両クラブの蜜月関係は次回ふれる。A代表にも召集されたレフティの背番号は7。

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前週の快勝からマハディウィ以外の二人を変えた采配は、果たして吉と出るか。結果は大凶、前半で2点を失い主導権を握られたまま時計の針だけが進む。注目した中盤がまったくと言っていいほど機能しない。ポジショニングの悪さが目につく。ハーフタイムが終わりピッチ上にウビンクの姿がないのは当然。ベリゼも後半途中でベンチに下がってしまった。


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唯一フル出場のマハディウィは、コーナーキックを頭であわせての1ゴール、如何にか一矢を報いた。ちなみにキッカーはウビンクに代わったジョーイ・スレーヘルス。こちらはヘルモント生まれのオランダ人フェイエノールトやRKCの下部組織出身。

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前述のとおり、EL予選への切符は手にしている。そして3か月半が過ぎた8月9日。このスタジアムで歴史的瞬間に立ち会えた幸運な観客は6,817人。
ファンブロンクホルストが指揮し中盤の底にはオランダ代表ヨルディ・クラーシが復帰したフェイエノールトに4-0の快勝。
共に4-3-3の陣形。主将として腕章を巻きトレンチーンのタクトを振るったのはマハディウィだった。

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現在、契約期間を終了したウビンクは古巣RKCのトレーニングに参加しながらの就活中。ベルギーに戻ったベリゼは、ロケレンで天野純&小池龍太と同僚に。活躍次第で日本のメディアにその名が取り上げられるかもしれない。

母国の仇敵の襲来に、体内に眠っていたアヤックスのDNAが呼び起こされたマハディウィは、今季もASトレンチーンでプレー。キャプテンマークを腕に巻く。昨季欧州に旋風を巻き起こした同窓たちと比べてしまえば見劣りするかも知れないが、確実に、前向きに歩を進めている。人口はスロバキアで8番目となる街のクラブチームにて。【百十三景了】
文/撮影 横澤悦孝 モデル 田中梨瑚