ぷら~り 欧州蹴球場百景【85】エスタディオ・ド・マル / マトジニョシュ

ここからが本番、ノックアウトラウンドの幕を開けたチャンピオンズリーグ、オリンピコでは逸材ニコロ・ザニオーロの二得点でローマがポルトに先勝。2016-17シーズンのプレーオフの屈辱を漸く晴らした。但し貴重なアウェーゴールを持ち帰った青竜もホームでの巻き返しを図る。

そのポルトガル王者が大苦戦、大いに盛り上がったのがタッサ・デ・ポルトガル。↑先月16日にマトジニョシュで行われた準々決勝では、120分の及ぶ熱戦の末、ホームのレイションイスSCを振り切りFCポルトがベスト4へと進出。クラブの格の違いこそあれ、距離的には“ダービー”になるのか。ポルトの本拠地ドラガンからマールまでは10キロしかない。

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第85景はポルトの北西、マトジニョシュのエスタディオ·ド・マル。
現在こそ二部のリーガ·プロで中位に甘んじているものの、10年前の冠メーカーがビールメーカーに変わったシーズン、開幕からの快進撃でその知名度は国外でも一気に高まった。手腕が光る新指揮官ジョゼ·モタは筆者と同年齢の1964年生まれ。

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開幕黒星スタートながら、2節から3連勝で順位を三位にまで引き上げると、ホームで迎えた最初の関門ベンフィカとの一戦を1-1のドローで乗り切り、次は敵地ドラガンでのFCポルト戦。開始3分左コーナーキックから先制、29分には山なりのパスに抜け出したブラガがダイレクトでサイドネットに突き刺し差を広げる。一度は追い付かれるも、ブラガがエリア外から振り向きざまに放ったミドルをキーパーのグローブをかすめてネットを揺らしたのは後半33分。この日2G1Aと全得点に絡み、首位に押し上げた立役者も現在35歳。

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7節のパソスデフェレイラ戦も2点目のゴールをアシストしたブラガ。首位を堅持し8節リスボンに乗り込む。スポルティングCPにも0-1とアウェー戦を白星で気がつけば 1分けを挟み7連勝。しかし息が続かず後半失速するのだが、それでも6位でフィニッシュ。クラブの予算規模と照らし合わせれば褒められて然る可き。


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そのブラガ、昨季はCDアヴェスに移籍しており、健在ぶりをフレームに収めたのが上2枚。
そしてアヴェスは昨年からジョゼ·モタ体制に。トップチームの監督だけでなくユースシステムのコーディネーターを務めている。再会した師弟は、2018年5月20日スポルティングCPとタッサ・デ・ポルトガル決勝の舞台で対戦。カップウィナーに輝いた。
残念ながら後ろ姿しか撮影していなかったが、輝く頭部はマタに違いない。


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2009-10シーズンには当時ベトナム代表監督を務めていたエンリケ·カリストの後押しでストライカー、レ・コン・ビンが加わる。カリストにとってマトジニョシュは生まれ故郷、レイションイスのアカデミーからトップチームへ。25歳の若さで引退し自国で指導者の経験を積み、ベトナムではクラブチームでの実績を買われ代表監督に就任した。


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2009年9月12日FCポルト戦で初のベンチ入り、翌月4日にウニオン・レイリア戦では、スタメンでデビューしており、欧州主要一部リーグでプレーする初のベトナム人プレーヤーとなった。10月18日のタッサ・デ・ポルトガル3回戦で初得点。後にコンサドーレ札幌在籍、引退した現在はアカデミーを運営し育成に尽力しているはず。