続・森保ジャパンの新たな船出 ブラジルを目指す候補者達の現況

ぷら~り 欧州蹴球場百景【83】スポルトパルク・ベルフ&ボス/アぺルドールン

先月28日ウリエ・コールホフが闘病生活の末に59歳で他界した。現役時代はオランダ代表、PSVのストライカーとして活躍。2009年からFCフローニンゲンのスカウト職を務め、今季アヤックスに移籍したドゥシャン・タディッチやフィリップ・コスティッチをセルビアから発掘している。


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上の映像。少々長いが2月2日ヴィレムⅡとフローニンヘンの試合前には1分間の黙祷、黒が主色のアウェーユニでわかり難いが選手達は喪章を巻いてプレーをしている。今季低迷するフローニンヘンもこの日は奮起、アウェーでの勝利を故人に捧げた。板倉はベンチ入りしたが、残念ながら出番はなし。


マルタ・パン(ハンガリー)
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第83景は生前コールホフが指揮を執ったAGOVVアペルドーレンのホーム、スポルトパルク・ベルフ&ボス。

ヘルダーラント州のアペルドールンの人口は約150,000人。・・・三年前に『欧州蹴球文化探訪 ベルギーの光と闇 第十一話 アペルドールンに交差するフットボール人生』で書いているのを思い出した。


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ロシア大会で日本と激闘を繰り広げたベルギー代表のドリース・メルテンス、ナセル・シャドリ。かつてアヤックスのリザーブチームを指導していたファンデン·ブロムに磨かれた原石であることを書いている。


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通称ゴッホの森と呼ばれ愛されるオランダ最大の自然保護地区「デ・ホーヘ・フェルウェ国立公園」の入り口。クレラー・ミュラー美術館と彫刻庭園を散策すると、自然と創作の調和に心癒される。今回は世界各国の巨匠の作品を散りばめながら、話を進めることにする。

クレス・オルデンバーグ(スウェーデン)
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このクラブ出身の大物はベルギーの凸凹コンビだけではない。新任監督のコールホフの初戦は2003年8月15日。ベルフ&ボスのピッチ上にはPSVから貸し出された二人のティーンエイジャーが立っていた。


クリス・ブース(ニュージーランド)
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一人はパウル・フェルハーフ、
2010年にフィテッセ・アーネムから当時2部のFCアウグスブルグに移籍、同じくこの年移籍してきた細貝萌と共に一部昇格に貢献。宇佐美の在籍した16-17シーズンにもキャプテンマークをつけチームを鼓舞し続けた。2013年には代表監督ファン・ハールから声が掛かりポルトガルとのテストマッチに出場。現在はヴォルフスヴルグでプレー、おそらくキャリアにピリオドを打つのも遠い先ではない。


ジャン・デビュッフェ(フランス)
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もう一人はクラウス・ヤン・フンテラール。今更説明するまでもないオランイェのストライカー。ブンデスリーガ得点王にも輝いた彼はヘルダーラント州のドレンプト出身。フェルハーフとはシャルケ時代に何度もピッチ上で火花を散らしている。


リチャード・セラ(USA)
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オランダでハイネケンに次いで第2位のビール会社がフロールシュ。MAYUさんが手にしているのは プレミアム ラガー のボトル。
1615年にヘルダーラント州のフルンローで創業しているから欧州全体でも老舗の部類。ただ大手メーカーを選ぶのに躊躇して、オランダ代表にデ・モーレン醸造所を推したのは80景に書いたとおり。2004年にエンスヘデ近郊のブークローに新たな醸造所を設立すると、FCトウェンテをスポンサード、スタジアムのネーミングライツも取得した。現在AGOVVの公式サイトをのぞくとロゴを目にする。


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PSVからフンテラールが移籍したのはSCヘーレンフェン。2年目の2005-06シーズンは開幕からゴールを量産。ウィンターブレーク前の最終戦(18節)ではアヤックスに4-2と完勝。2点目を決めたフンテラールはそのアヤックスへと引き抜かれた。


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あれから13年を経て2019年1月20日ウィンターブレーク明け初戦(18節)。ドゥシャン・タディッチの先制ゴールを口火に得点の奪い合い、79分途中出場のフンテラールが僅か4分で勝ち越しの4点目を決めるがロスタイムの同点ゴールでヘーレーフェンがドローに持ち込んだ。

前試合で赤紙一発退場の小林祐希は出場していなかった。左利きのプレーメーカーは、シーズン終了時には、オランダでカップ戦、プレーオフも含め合計100試合出場は達成し、移籍もあるかと思いきや、2月に入って2試合連続でベンチを温めている。
しかし森保監督には、是が非でもこのレフティをコパ・アメリカに招集してほしい。
オランダに渡ってから低い位置でのプレーを熟しており、守備面とロングフィードにおいて同じくプラチナ世代の柴崎岳よりも、ポジションの適性において優る。

一方前景でもふれた森岡亮太。シャルルロワでは2試合連続のスタメンで存在感を発揮している。

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ベルギーでは木下康介が初出場で決勝ゴールと最高のデビュー戦を飾る。昨季所属のハムナスタッドBKはスウェーデン二部に降格しており、木下にとって欧州一部でのゴール記録は、2017年5月依頼、通算2得点目。この試合も残り10分をきった時間帯で投入されると、僅か5分後に左足で決めているのだが、試合はもう一点届かず黒星を喫した。フライブルグのU19からスタートした彼も既に24歳。かつて年代別代表で共にプレーした同学年の南野拓実には少々差をつけられたが、身長190センチの大型フォワード。大迫勇也の後任が見当たらない現在の森保ジャパンとしてはベルギーで一皮と二皮といわず、なんぼでも剝けてほしい。
既に日本代表のレギュラー級の富安、遠藤と同クラブで連携を深められるのは大きなアドヴァンテージとなる。


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アペルドールンからヘーレンフェン、アヤックスを経由して、遂に白い巨人のユニフォームに袖を通したフンテラール。中堅国の二部リーグでだろうが、諦める必要はない。すべての道はローマだけでなく、マドリッドやロンドンにまで続くのが欧州なのだから。【八十三景了】

文/撮影:横澤悦孝 モデル: Mayu