長靴の国で観た異邦人たち 十二の巻 【メキシコからの旋風、ローマが涙に暮れた日】

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UEFAチャンピオンズリーグ(CL)のキックオフ前。何度聞いてもスタジアムに大音響でおなじみのアンセムが流れると鳥肌が立つ。

今季《年内》のCLグループステージが終了。決勝トーナメントの組み合わせが決定した。最大の激戦区E組、第三節トッテナムVSレバークーゼンのスタメンが映し出された画面はパルク・デ・リヨンのプレスルームで撮影。リーグアンでも首位に迫るモナコの勢いは、プレミアで現在5位をのトッテナムを蹴落とした。そのモナコはプレミアで4位のマンチャスターシティとの対戦。トッテナム戦連勝に続きプレミアの鬼門を突破できるのか興味深い。

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12月7日の最終節。消化試合で主力温存のレスター相手に、ドローでもステージ突破が危ういポルトの気迫が記録的なゴールラッシュへと導く。マイナスのクロスを豪快にボレーで突き刺したヘスス・コロナの一発は圧巻。これで各国クラブの割合は最多スペインが4、英独が共に3、仏伊と並び残る席をポルトガルが占拠した。イベリア半島に6クラブと偏ったがユーロ制覇と併せ2016年のポルトガルイヤーを締め括った。そのFCポルトが再び長靴の国に乗り込むユヴェントス戦も要注目。

長靴の国で観た異邦人は、セリエA&Bのクラブの所属選手だけではない。

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FCポルトをローマのオリンピコで観たのは8月23日プレーオフ第二戦。今季ユヴェントスを止めるであろう最右翼と目されたローマが二人の退場者を出してまさかの大敗。

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エスタディオ・ドラゴンでの初戦アウェーゴールを奪われてのドロー。ポルトが大逆転の本選行切符を手に入れたが、現在国内リーグではベンフィカをポルトとスポルティングが追う展開。
そのポルトに欠かせない存在が中盤のメキシコ・コンビである。エクトル・エレーラとヘスス・コロナ。

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ローマ戦では中盤を1ボランチの4-1-4-1から攻撃時は4-3-3のフォーメーション
右のインサイドにエレーラ、アウトサイドにコロナを並べた。

11月の大一番2連戦ではツートップ(4-1-3-2)を採用。2日のCL第4節クラブ・ブルージュ戦ではスタメンにエレーラ、コロナを途中交代、中3日で首位ベンフィカとの前半天王山はコロナがスタメン、1-1でで終了間際最後の交代がエレーラに。

コロナはヴェネゼエラ戦での五人抜きで名を馳せた生粋のドリブラー。代表の10番に相応しいプレーヤーへと成長した。

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エレーラはアンカーもこなせる万能型、写真はイトゥルベのドリブルに対応しているが1対1の守備にも強い。ポジショニングや二列目からの飛び出すタイミングなど欧州のフットボール通を唸らせる。エレーラの安定した技術により二人同時起用が可能となり戦術に幅をもたらす。
メキシコでコロナといえば国内外で消費量NO.1ビール銘柄。コロナに欠かせないエレーラは塩とライムの果肉のような存在なのである。