紀行文のあとがき(第1回/全3回)

 サッカルチャーに原稿を掲載しておよそ半年。このWEBサイトを気に入った理由はサッカーを「文化」に昇華させようという理念&フィロソフィーと、サッカーとカルチャーをあわせて“サッカルチャー“という「なめとんのかっ!?」とツッこみたくなる安易なネーミングのダブルスタンダード。

 先日M社長と編集責任者のA氏との打ち合わせでも、大の大人三人が真剣に「どのようにふざけるか」頭を捻る。

 そう、サッカルチャーは真剣にふざけた媒体を目指す。Soccer Magazine ZONE(ベースボール・マガジン社)やSports Graphic Number(株式会社文藝春秋)等一流出版社のWEB版や、サッカーキング(株式会社フロムワン)フットボールチャンネル(株式会社カンゼン)他多数の専門WEBサイト。そこにはサッカーを飲食業に置き換えるならば、フレンチや和風懐石のような質の高い情報テキストが提供されている。

 それに対してサッカルチャーはラーメン、牛丼・・・いやいやおこがましい(肉を仕入れる予算はない)。我々が目指すのは、B級グルメの王道、「屋台のタコ焼き」である。

 そもそも筆者は(サッカー)について文章を書くのは苦手で嫌いだ!サッカーはプレー動画を観ながら言葉なりテキストを載せていかないと書き手の意図が伝わり難い。それでもサッカルチャーにコラム連載しているのは、これまで欧州を旅して撮影した膨大な写真の思い出アルバムの中から、サッカー編を記録として後世に残せたら楽しいかもしれないという私的でくだらない理由なのだ。

 従ってこの紀行文のように「うざい」と思われても仕方ない程多過ぎる写真テンコ盛りは本望である。しかしテキストは真剣にふざけておらず、真剣に真面目な文章を書いている。

 この日クラブのオフィスに荷物を預けたのだが、職員が帰ってしまったため際選手にお願いしたところ、なんとディレクターが取り出してくれて無事帰国できた。この新しいディレクターが着任されて間もなく際選手も口を聞いたのは初めてなのだそうだ。

 そんなわけで(どんなわけだ?)第一回にオフトがユトレヒトのディレクターをやっていた当時の集合写真を持ち出す必要もなかったが載せてみた。第二回のドルトレヒト集合写真と比較の意味も含めて。

 中田徹氏にはドルトレヒトからスキポール空港まで車で送っていただいた。ドルトレヒトを実際に訪問して際選手(ダジャレです)と中田氏に接見しお二人への謝意を表すうえで、失礼な文章は書けないだろうと“本気“で書いた。

 サッカルチャー編集部情報によると嘘かまことか前述の一流サッカーメディア関係者には、意外にもサッカルチャーを知っている方が複数いて「面白い」とお褒めの言葉をいただいたらしい。
シュフだろうが板前さんだろうが、屋台でタコ焼きを食べれば「これはこれで美味い」と感じるもの。タコ焼きにはタコ焼きのこだわりとプライドがある。