8月18日から中国は南京で開催されていたAFC-U19アジア女子選手権。”ヤングなでしこ”の愛称を持つU19女子日本代表が29日の決勝で北朝鮮を相手にPK戦で競り勝って優勝。この年代では実にここ5大会中で4度目のアジア制覇を果たしました。

個人としては大会4得点を挙げたFW小林里歌子がMVPを獲得しています。

 これで日本は来年に行われるFIFA-U20女子W杯への出場権を獲得。昨年のFIFA-U17女子W杯に続いて”世界女王”を目指します。

U17W杯優勝メンバーが揃う”黄金世代”~”世界最高”の杉田、複雑な経験を持つ長谷川

 今大会の“ヤングなでしこ”は昨年のU17女子W杯で初優勝したメンバーが揃う“黄金世代”と呼べる年代。特に今年からINAC神戸レオネッサに加入したMF杉田妃和は2013年のAFC-U16アジア女子選手権から主将としてプレー。同大会では6得点を挙げてMVP。さらに翌年のU17女子W杯でも主将として5得点。この世界大会でもMVPを獲得した、この世代の“世界最高選手”です。

 
 とはいえ、“絶対女王”とも言える近年の結果を残しながらも、日本は2013年に行われた前回大会で4位に終わり、上位3カ国に出場権が与えられるU20女子W杯への出場を逃しています。2年前はグループリーグ突破後は総当たりの決勝リーグ方式だったとはいえ、前回大会で屈辱を味わった選手が7人も残ってる今大会には、高倉麻子監督が表現する「痛々しいほどの」経験値を持った選手達のメンタル面での強さが際立ったとも言えます。

 特に前回大会の屈辱を経験したMF長谷川唯は、昨年のU17で世界制覇も果たした複雑な経験を持つ選手。“飛び級”でU19代表に昇格しながら世界大会への出場権獲得に失敗した事で、2014年の代表活動が再び自分の年代となるU17代表へ“復帰”するという奇妙な招集状況。

 それでも彼女はその波乱万丈な代表キャリアの全てを経験値としての強みとして、今大会の日本の勝負強さの軸となってくれたと言えるでしょう。

黄金世代を持ち上がった高倉監督の名采配~薄氷を踏むアジア制覇

 今大会は全8カ国の参加。4カ国ずつ2つのグループに分かれ、上位2カ国が準決勝へ進出。たとえ準決勝で敗れたとしても、3位決定戦が世界大会出場への決勝戦となるのが大会概要でした。グループAに入った日本の対戦相手はオーストラリア、ウズベキスタン、中国。フル代表を含めて日本の女子サッカーはアジアでは常に優勝候補筆頭。とはいえ、前回大会4位に終わった際には中国が3位でU20W杯に出場しており、オーストラリアはフル代表がW杯予選で敗れた事がある新興国。決して、楽なグループ分けではありませんでした。

 ただ、中1日で開催されるグループリーグでは、第2戦に少し実力が劣るウズベキスタンと対戦する事が功を奏した格好。第1戦のオーストリア戦でしっかりと2-0で勝利して迎えたウズベキスタン戦、日本はGK以外の10選手を完全ターンオーヴァーで入れ替えて6-0の圧勝で準決勝進出を決めました。そして、それ以上に、最初の2試合で全フィールド選手に先発出場の機会が回った事で、グループリーグの第3戦以降を総力戦で戦う意識が深く浸透した相乗効果が大きかったと言えるでしょう。