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J1リーグ第1S・8節、横浜FM VS 広島〜総力戦で勝ち切った王者

総力戦で勝ち切る王者の証明

 しかし後半、横浜はスタートから18歳のアタッカー・遠藤渓太を投入したのをスイッチに、攻守に渡ってどんどんテンポを上げて攻勢に出る。サイド攻撃でもクロスだけでなく、カットインやコンビネーションを使った分厚い攻撃を仕掛けて来た。簡単にぺナルティエリアに何度も侵入を許した広島には苦しい時間帯が続いた。GK林卓人のビッグセーブにも救われていたが、それにも限度があった。

 70分、広島DFラインが揃いきれないきれない間にクロスが供給され、元日本代表MF中村俊輔にヘッドで合わされたシュートに対して、遅れて対応したDF千葉和彦がハンドでPKを献上。ワンステップだけで蹴るキックで中村自らが確実にPKを沈める。試合は1-1の同点に。

 しかし、広島は一瞬の隙を突く。72分、ハーフライン付近からDF塩谷司が前方右サイドのオープンスペースへ送ったフィードに抜け出したミキッチが折り返し、これをウタカが難なくゴールに流し込んで1-2と再び勝ち越し。

 リードを許した横浜は左SBの下平匠に替えて、FWの伊藤翔を投入。捨て身の超攻撃的布陣にして同点を狙って来る。前掛かりになっているだけに、ボールを失ってもすかさずプレスに来る。一方、守備陣を中心にACLのアウェイ戦の疲労が終盤になるにつれて表面化した広島は苦しい状況。

 しかし、ここでモノを言ったのは『ピッチ上の指揮官』MF森崎和幸の存在感だった。前節に引き続いてインテリジェンス溢れるポジショニングの数々を前提にボール際の強さを発揮し、苦しい時には自らボールを運んで時間を進めた。横浜のプレスがいくら強烈でも確実に相手のいない方にトラップして、確実に広いスペースへボールを裁いて行く。

 その落ち着いた森崎和のプレーに先導され、とにかく試合巧者に振る舞った広島がアウェイで苦しい試合展開ながらも1-2と勝利。これでJ1リーグは2連勝。ウタカは初得点した第3節からの6試合で7得点となった。

総力戦で活きた『2チーム分の戦力』

 前半、青山の代役としてプレーした20歳のMF宮原和也は運動量豊富に攻守に渡って存在感を示した。中村俊輔を抑える役目も担いながら、セカンドボールも拾いまくった。しかし、後半になって相手のインテンシティが上がって来ると存在感が消えた。

 それでも、森保一監督は、ボランチで森崎和が欠場していた時期に、J1リーグでは技術に優れた頭脳派の宮原を、ACLには対人能力に長けたMF丸谷拓也を、と併用して来た。それがこの横浜戦には活きた。宮原が消えてしまった後半18分に宮原から丸谷へスイッチした事で、強度の高い守備が可能になった。『2チーム分の戦力』があるのを違った形で証明するような采配だった。

 サンフレッチェは今季のJ1では1試合平均15(15.57本)本を越えるシュートを放っていたが、この試合は僅かに5本に止まった。昨年全試合にフルタイム出場したDF千葉はこの試合で今季3枚目の警告を受けて次節の出場停止が決まった。ACLの疲労が顕著で、広島に帰ることなく遠征が続く日程。昨年のリーグMVPにして、チームの主将であるMF青山が欠場する緊急事態。それを総力戦という形ながら勝ち切った。そこには昨年のJリーグ王者らしい勝負強さがあった。
 
 この勝利は、ACL敗退のショックや疲労を払拭するための体力的・精神的な良薬となるだろう。中4日で迎える次節には浅野もベンチ入りできるかもしれない。世界への挑戦はいったん終わり、ここからはACL出た課題を修正し、国内で着実に内容と結果を積み上げて行く作業となる。

 今年もまた、「成長しながら結果を出す。」