連覇を手繰り寄せる大和撫子

【女子W杯カナダ大会・準決勝】
日本代表2-1イングランド

得点者
<日本代表>宮間(32分、PK)、オウンゴール(92分、byバセット)
<イングランド代表>ウィリアムズ(40分、PK)

中盤でのプレス合戦での潰し合い~今大会になって初めて同点にされた日本

 決勝トーナメントに入って先発メンバーを固定した佐々木則夫監督はこの試合でも3試合連続で同じ11人をピッチに送り出してスタート。対するFIFAランク6位のイングランドは1カ所の変更。左ウイングに突破力のあるFWダガンを先発に抜擢し、日本の右サイドを突いていく意図が見られました。

 試合の方は大野忍が前線起用で先発に定着してからハイプレスがハマり出した日本に対して、イングランドも高い位置からプレッシングを仕掛けてきた事で、中盤での潰し合いの試合展開に。ただ、そのセカンドボールを拾った場合に両者の「色」がハッキリと出ていました。イングランドはセカンドボールを拾って前向きでボールを持つと、最前線の重量級FWテイラーを狙ったロングボールで直線的な攻撃を仕掛けるのに対して、日本はCBが中盤をサポートする事で低い位置からビルドアップしてボール支配率を上げ、試合の主導権を握ろうとしていました。

 日本は主導権を握りきるまでには至らなかったものの、相手が日本の右サイドを執拗に狙ってくると距離間を修正し、そこでボールを奪うと素早く逆サイドへ展開。この試合は特に左サイドに開くキャプテンのMF宮間あやがフリーになる事が多く、攻撃の起点となっていました。

 そして、開始から15分ほどで中盤でのプレス合戦も終わり、イングランドのロングボールもしっかりと最終ラインが回収していくとポゼッションが安定した日本。32分でした。後方でボランチとCBがGKも含めてビルドアップ。MF阪口夢穂がハーフウェイラインで受けて前を向くと、イングランドがオフサイドトラップをかけてDFラインが高くなっていた裏を、右SBの有吉佐織がダイナミックな動き出しで抜け出し、そこへ阪口がアメフトの“タッチダウンパス”のような絶妙なミドルパスを供給。トップスピードのままエリア内へ切り込むようにトラップした有吉が懸命に戻った相手DFに倒された位置はぎりぎりエリア外に見えましたが、ニュージーランドの主審はぺナルティスポットを指差し、PK獲得。宮間が冷静に相手GKの逆をつくキックで沈めて日本が1-0と先制。

 しかし、先制された事でどんどん前へ圧力をかけて来たイングランドを相手に後手に回ってしまった日本。さらに予感がしたのは日本に先制点をもたらした主審のジャッジの行方。その悪い予感通り、40分にイングランドの右CKからのボールにゴール前の混戦でFW大儀見優季がファウルを取られてPKを献上。「PKストッパー」である守護神GK海堀あゆみの手も届かず、ウィリアムズに決められて1-1の同点に。今大会全勝の日本は全6試合で先制点を挙げており、2得点した試合でも先に追加点を記録。この失点で初めて同点に追いつかれました。

 正直・・・ファウルじゃなかった。でも日本のPKもエリア内ではなかった。男子サッカーなら荒れそうなジャッジでしたが、日本もイングランドも「お相子」とでも取るような女性特有の頭の切り替えの速さは清々しかった。主審にスポットライトがあたるのではなく、あくまで試合内容に注視する好ゲームの試合は1-1の同点で前半を折り返しました。