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「女子サッカーを文化にする」ために、できること

 4月9日、『キリンチャレンジカップ2017~熊本地震復興支援マッチ がんばるばい熊本』と題されたコスタリカ戦。なでしこジャパンは3-0の快勝を飾った。

 昨年のリオディジャネイロ五輪への出場権を逃した代表に続き、プレナスなでしこリーグは今季の放映権が売れていなかった事が開幕1週間前に発表された。

 暗黒時代の到来?過渡期?なんて言葉も聞こえていた中、「コレが観たかった」と思える快勝の裏には種も仕掛けもあった。手品は横から見ればネタが筒抜けだが、パスの方向や選手の動きが直角には動かないサッカーという競技に関しては斜めから見たい、考えたい。

 コスタリカが来日したのは試合2日前。体のキレの悪さは感じられなかったが、やはり60分辺りからは運動量が落ちた。そして、その直後から高倉麻子監督が育成年代の代表チームで指導して来た愛弟子たちをどんどん投入して追加点は生まれた。それでもコスタリカが男子も女子もサッカー新興国であり、10番を着るMFシルレイ・クルス(パリ・サン・ジェルマン/フランス)は女子の欧州チャンピオンズリーグで2度も欧州女王に輝いた大物。決して弱い相手ではない。弱過ぎると相手がベタ引きしてワクワクするようなサッカーは生まれないから、コスタリカ戦をマッチメイクしたのも成功だ。

 新エースFW横山久美(AC長野パルセイロ・レディース)が目の覚めるような豪快なミドルシュートで先制点を奪ったのも良かったし、昨年のなでしこリーグ1部の得点女王であるFW田中美南(日テレ・ベレーザ)がゴールしたのも良かった。田中は3月にポルトガルで開催された『FPFアルガルベカップ2017』に続き、この日も決定機で決めきれていなかったが、ベレーザのメンバーで固められた攻撃陣の協力もあって何度もチャンスボールをもらっていた。

 3月のアルガルベ杯から帰国後、なでしこジャパンの選手達は急ピッチで新シーズンの準備に入り、怪我人も多く出てしまった。無理もした。この日も熊本のスタンドはガラガラで、決して明るいとは言えない雰囲気だったのも確か。犠牲を代償にするつもりはないけれど、今はこの新しい代表チームが見せてくれたポジティヴな話題をもっと盛り上げたい。

『女子サッカー唆し隊』結成

 なでしこジャパンの前主将MF宮間あやは、「女子サッカーを文化に」との言葉を胸に日々プレーしていた。僕らは彼女の言葉をサポートするため、まだまだ「なでしこジャパンは倒れていない」ことを知らない人々を唆したい。いや、僕らは『女子サッカー唆し隊』になるべきなのだ。(笑、当サイトも「サッカーを文化に」というコンセプトの基に始まったし。)

 幸いにも、国内の女子サッカーの競技力自体は向上している。

 2011年のドイツW杯優勝メンバーとなった代表の主力選手が勢揃いしたINAC神戸レオネッサは、なでしこリーグを2011年から3連覇した。当時は「シーズン無失点での全勝優勝」を目標に掲げていて、実際に毎試合のようにハーフコートゲームが続く試合は実力差が激しく、とにかく強かったが、「何が凄いのか?」と問われたら少し困った。

 その後、レジェンド=澤穂希さんの現役引退や、主力選手たちが海外移籍をしていく中でINAC神戸は戦力を大きく落とした。とはいえ、そのINAC神戸や現在リーグ2連覇中で大量の代表選手を輩出している日テレ・ベレーザに対して、現在の他のチームは引いて守るだけでなく、自分たちの“色”を見せて戦えていて、見応えのある試合は急増している。

 今回のコスタリカ戦へ向けて、2部や3部の下部リーグ所属選手も選ばれたのも、競技力の向上を証明している。男子のJリーグよりは攻撃マインドに傾向があるのはプロモーションとしても良いはずだ。

 それでも観客動員はまだまだ少ない。長野パルセイロLや2部・オルカ鴨川FCなどの新興クラブが独自のルートや発想で盛り上げてはいるが、限界は見えている。メディアも1部リーグの結果すらも報道してくれないから、当然ながらコスタリカ戦でデビューしたFW上野真実やFW大矢歩(共に2部・愛媛FCレディース)の普段の活躍は全く知られていないし、試合が映像化もされないのだから、今後も6月の代表戦が来るまで何も情報は流れそうにない。

勝敗を越えた先の付加価値~「自分が見つけたチーム、選手」

 ただ、「映像化されないから価値が無い」んじゃなくて、「映像化されないから価値がある」と思いたい!現地に行ってみないと観れない、体験できないからだ。

 だから今、なでしこリーグを観戦に訪れた新たなファンはきっと、「自分が見つけたチーム」「お気に入りの選手」として知られていないからこその、付加価値に繋がるんじゃないかと思う。情報が薄いのは逆に強みにしたいのだ。

 ベテランと言っても30代は世間一般で言えば、「若い」。先日、筆者がコンタクトをとった長年の女子サッカーファンの方々は、「せっかく若い女性たちがやっているスポーツなのに、グッズの種類も満足に揃わない。女子っぽくない」と仰り、「だから自分で作った」と自前で選手のネーム入りのマフラーやミサンガを作り、選手たちにプレゼントしていた。(下記、ご本人の方々に掲載の許可をもらったので、写真入りのツイートを公開します。)

オリジナル・マフラーのTwitter埋め込みコード:


 このマフラーは伊賀フットボールクラブくノ一の新主将MF杉田亜未がアルガルベ杯の代表に招集される事を念頭に作っていたのに、招集外となったがために、急遽「日の丸」をキャプテンの「C」に刺繡を変更したという機転の利きぶり。(杉田はコスタリカ戦の代表に招集。)

About the Author:

hirobrown

創設当初からのJリ−グファンで各種媒体に寄稿する副業サッカーライター。好きなクラブはアーセナル。宇佐美貴史やエジル、杉田亜未など絶滅危惧種となったファンタジスタを愛する。趣味の音楽は演奏も好きだが、CD500枚ほど所持するコレクターでもある。 サッカー歴:中学・高校時代にサッカー部に所属。 中学時は大阪市トレセンに選出される。 その後は競技者としてのサッカーから離れていたが、サッカー観戦は欠かさない 。

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