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グアルディオラを止められる2人。策士クロップの挑戦

 スペインでのグアルディオラVSモウリーニョの構図と同様に、ドイツに渡ったグアルディオラの前にもクロップというライバルがいた。モウリーニョとクロップでは志向するサッカーも違うが、グアルディオラの理想とするサッカーには意外にも相性が良い。

 モウリーニョは必要とあらば全員を守備に回らせるほどの絶対勝利主義者。モウリーニョがチェルシーを率いていた時代からバルセロナは苦しみ、モウリーニョがインテルを率いた09-10シーズンにはCL準決勝でグアルディオラ率いるバルセロナを倒してもいる。

 一方のクロップは、走りの量と質を求めるファイター型だ。モウリーニョもファイトを求めるが、クロップはとにかく走りを重視する。走ることなどサッカーという競技では当たり前のようにも感じるが、ドルトムントは走り回る事でバイエルンのパスワークに対抗してきた。
 グアルディオラがバイエルンの監督に就任して以降、戦績は五分、どちらかといえばクロップの方が勝っている。バイエルンを止められるのはドルトムントのみ。それはドルトムントが15位と低迷していても変わらない。10月31日、ブンデスリーガ第10節バイエルンVSドルトムント。クロップはまたしても奇策で臨んできた。

☆奇策の中に自我の詰めを残す

 試合開始前は4-2-3-1が濃厚と考えられたドルトムントだが、始まってみるとロイス、オーバメヤン、そして香川を前線に並べた4-3-3の布陣だった。中盤にはベンダー、ケール、さらに本来はトップ下を務めるアタッカーのムヒタリヤンを並べた。

 なぜクロップが4-3-3を選択したのか。恐らくはバイエルンの中央を使った攻撃を食い止めるためだ。バイエルンは選手が頻繁にポジションチェンジを繰り返し、バイタルエリアを攻略してくる。グアルディオラが率いているためにメカニズムはバルサに似ているが、破壊力はそれ以上といっていい。
 その攻撃を食い止めるのにボランチが2枚では難しいというのがクロップの考えだ。4-2-3-1ではボランチが2枚になるため、バイエルンの攻撃に対して中央で人数不足になると考えたのではないだろうか。
 さらに、前線を3枚にする事で相手最終ラインに プレスを仕掛ける。バイエルンは3-5-1-1のようなシステムを組む3バックなので、そこに3トップでプレスをかけようと考えたのだろう。ここにはアンカーのX.アロンソも絡んでくるため、プレスが大きく機能する事は無かったが・・・。

 やろうとした事に間違いは無かったと思う。バイエルンがサイドにボールを展開した時、ベンダーかムヒタリヤンのどちらかがサイドの対応に出る。ボランチが2枚の場合、片方がサイドに出ていくと中央が1枚になる。その事態を防ぐために3枚を並べたトレスボランチを選択したと思われる。ムヒタリヤンがサイドに出ても、ケールとベンダーが中を埋めているため、スペースが出来にくい。

 そうした守備を重点的に考えた布陣にありながら、クロップの攻撃的な色も出ている。ムヒタリヤンをボランチで起用したのも、カウンター時にスピードを高めるだったと予想できる。
 香川、ロイス、オーバメヤン、ムヒタリヤンの4人による高速カウンターは何度かバイエルンに冷や汗をかかせた。

 そして前半33分のロイスの先制ゴール。ヴァイデンフェラーの好セーブ連発というラッキーが絡んでいるものの、クロップの考えるプラン通りにスコアが動いたといっていい。

☆フィナーレの手前で躓いたドルトムント

 そして後半26分、香川を下げてグロスクロイツを投入。これも大いに予想出来る交代策であり、クロップのプランが完遂される一歩手前まで来ていた。この時点でドルトムントは1点をリードしていたため、攻撃を構築する香川はもはや不要だ。
 後は守備に力を置きながら試合をコントロールすれば良い。交代で入ったグロスクロイツは左サイドハーフに入り、ドルトムントは4-4-1-1に布陣を変更する。中盤の3センターをやめ、4枚で中盤を守る形を取った。

 試合前からクロップも覚悟していたとは思うが、バイエルンの中央突破はケール、ベンダー、ムヒタリヤンの3枚を並べても止める事が出来なかった。それもそのはず、バイエルンはミュラーがたびたびサイドに流れてドルトムント守備陣を混乱に陥れていたのだ。
 クロップもそうなることを理解していたはずだが、バイエルンに勝つためにリスクを背負って4-3-3を選択したのだろう。そしてリードを保った状態でのグロスクロイツ投入。まさにプラン通りだ。

 グロスクロイツは派手なテクニックこそないが、クロップの求める運動量を誰よりも持っている。しかも彼はサイドプレーヤーでありながら中央の守備もこなすことが出来る万能型だ。サイドハーフとして守備を任せるのには適役だったといえる。

 ところが、グロスクロイツ投入1分後にレヴァンドフスキに同点ゴールを決められてしまった。プラン通りとなる一歩手前で全てが崩れてしまったのだ。しかも、交代から数十秒後の失点。あまりにタイミングが悪すぎた。

About the Author:

大阪府在住 / 20代 / 趣味:サッカー観戦、カラオケ / サッカー歴:中学2年よりサッカーを始める。人生初の試合が0-12、チームとしてのシュート数0と歴史的な大敗となり、カルチャーショックを受ける。それ以降なぜ0-12で負けたのかを研究するようになり、気付けばサッカーオタクとなっていた。

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