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アジア杯準決勝レビュー&決勝プレビュー ~総合力と日程のバランス

日程はグループ分け抽選された時から決まっているとはいえ、イラクにはあまりにも厳しい日程です。日本も厳しい日程でしたが、イラクほどではないので・・・日程以外に敗因を定めた方が良い言えます。敗因は別稿にて述べておりますので参照ください。

→「ベスト8敗退の日本。敗因は?」

①韓国<A組首位>2ー0イラク<D組2位>

5試合連続無失点の韓国が余力も残して決勝進出

 準決勝の第1試合では韓国が意外にも前からガツガツと圧力をかけてくるイラクに実は苦戦。しかし、30分過ぎから2試合連続の中2日でのハードスケジュールからか運動量が激減。中盤にスペースが出来て間延びしてしまうと、ブンデスリーガ2年連続2桁得点という日本代表FW岡崎慎司の上を行く韓国のエースFWソン・フンミンがバイタルでドリブル突破から強烈なシュートを放つ姿を披露。ガンバ大阪で昨年の国内3冠を達成したFW宇佐美貴史のようにも見えましたが、フィジカルが強く、今大会全5試合無失点を貫いている韓国の守備面でも貢献できているソン・フンミンのチームへの貢献度の高さは得点に絡まなくても顕著でした。

 試合の方は膠着していた前半に、昨夏アルビレックス新潟からホッフェンハイム(宇佐美も在籍したドイツ1部リーグ)に移籍して定位置を張るキム・ジンスの右からのFKに、長身FWイ・ジョンヒョプが頭で合わせて先制。さらに1点リードで折り返した後半開始早々にセットプレー崩れからのロングボールを再びイ・ジョンヒョプが落としたボールを、元FC東京のキム・ヨングォンがハーフボレーで押し込んで2-0に。終盤は昨年のU22アジア杯得点王に輝いたFWマルタンを投入したイラクにあわやのピンチを作られた場面もあったものの、セレッソ大阪の守護神・GKキム・ジンヒョンが大会無失点を継続する好守で締めて完封。危なげなく決勝進出を決めました。

 グループリーグの方が危うかった韓国ですが、負傷者と体調不良者続出により、登録メンバーの多くに出番が回った事が、逆に総合力を上げるという”怪我の功名”はあるでしょう。現役時代はレアル・マドリーで長くプレーしていたウリ・シュティーリケ監督も日本のハビエル・アギーレ監督よりも就任が1カ月遅かった中で、チーム全体への守備意識の浸透は見事だと思います。1得点1アシストで殊勲のFWイ・ジョンヒョプは韓国2部の尚州所属。ガンバ大阪に在籍していたFWイ・グノが揺れていた兵役問題ですが、彼も昨年まで所属していた軍隊のチームがこのクラブ。今大会前は代表招集が皆無だったラッキーボーイの誕生も決勝進出への大きな要素となりました。

②オーストラリア<A組2位>2ー0アラブ首長国連邦<C組2位>

5試合で10人の得点者を出す攻撃サッカーで豪州が快勝

 準決勝第2試合は第1試合のゴリゴリしたような試合とは打って変わって、両国共にボールを繋ぐ綺麗なな試合になった中、豪州が再び流動的な攻撃サッカーを披露。開始3分で右CKからCBトレント・セインズベリーがヘッドで決めて先制に成功。続けざまに15分に右からのクロスに対して中に人数をかけて押し込み、FWティム・ケーヒルへのクロスがこぼれたボールをエリア内でFWマシュー・レッキーとルオンゴが詰めて左へ繋ぎ、左SBのジェイソン・デイビッドソン(祖母が日本人で日本の成立学園高校出身)が左足を一閃してネットを揺らし2-0に。その後はゆったりとゲームをコントロールした豪州がケーヒル等を温存して危なげなく快勝。

 これで豪州は5試合で12得点目。それ以上にその得点者がコレで10人目に達しました。内訳はFW5(ケーヒル3、ロビー・クルーゼ1、トミー・ユーリッチ1)、MF5(ミレ・ジェディナック1、マッシモ・ルオンゴ1、マット・マッケイ1、ジェイムズ・トロイ―ジ1、マーク・ミリガン1)、DF2(デイビッドソン1、セインズベリー1)とポジションに関係なく奪っています。各国リーグ戦でも同チームで得点者が10人も生まれるのは稀な事なのに、たった5試合で10人。今の豪州がいかに「何処からでも得点がとれるサッカー」を展開しているのかが証明されていると言えます。

 日本をPK戦の末に下したUAEは日程面の不利もあったかもしれませんが、実力的に相手にはなりませんでした。やはり日本が開始7分で喫した失点が痛かったのでしょう。オマル・アブドゥルラフマンは確かに天才肌のMFで、今後は欧州に活躍の場を移す選手だと思います。彼が引っ張るUAEは非常に若いチームですから、次の3位決定戦も含めて大きな経験を経て再び日本と対戦する日を楽しみに待ちたいと思います。もちろん、それまでに日本も今以上の進化を遂げて。

【決勝プレビュー】Jリーグ発展のヒントになる決勝

<対戦カード>

30日、3位決定戦・イラクVSアラブ首長国連邦
31日、決勝・韓国VSオーストラリア

 大会前に展望を書いた記事の予想通りに韓国・豪州・イラクが残ってくれているのは少し誇らしく思いますが、日本だけ外れるとは・・。

 そんなわけで準決勝で敗れたイラクとUAEの中東勢が先に3位決定戦を戦います。若手選手の多い彼等が大きな国際舞台であと1試合を経験できるのは今後へ向けて素晴らしい事だと思います。とはいえ、前回大会までは次回アジア杯予選免除権が懸かった3位決定戦でしたが、レギュレーションの変更で今回はただの消化試合化。日程面で苦しんで来たイラクがやっと相手より1日多い休養で迎えられますが、「今さら・・・」が本音でしょう。

 そして決勝の韓国VS豪州。日程でも移動でも有利の韓国ですが、テニスやクリケットの主要国際大会が同時開催されているとはいえ、当日の開催国を相手にするアウェイ感は半端ないでしょう。また、アウェイに強いメンタリティーも、スポーツ大国で紳士な対応をする豪州のファンの応援スタイルは逆にやりいくいかもしれません。