今回記事にさせていただく内容はリオ五輪出場を決めたU-23日本代表の戦力を上げる存在【オーバーエイジ】について。

 そこで、”オーバーエイジが必要か”を含めて考えていきたい。

オーバーエイジは必要か

 まずはオーバーエイジを適用するべきかどうか。オーバーエイジにはメリットとデメリットどちらも存在する。

 メリットは単純に戦力が上がることと若手にはない経験からチームを引っ張れる存在になれること。

 デメリットはいきなりチームに合流することでチームに順応しないで悪循環をもたらす可能性があることだ。

 若手に経験を残すという意味ではオーバーエイジを起用しないという考え方もある。だが、五輪で結果を残すためにはオーバーエイジは必要であろう。そんな中で適任者を探すのは簡単ではない。チームに馴染みながらも引っ張れる存在、そんな選手がオーバーエイジに最も適任な選手となる。

 ではどの選手がオーバーエイジとして起用すべきか考えていきたい。

FW

 今予選で絶対的に手倉森監督の信頼を勝ち得た選手はいない。手倉森監督はフィジカルに長け献身的な働きをする選手とスピードタイプの選手や万能タイプの選手との組み合わせを好む。

 仙台時代の赤嶺、ウィルソンという組み合わせは典型的な手倉森監督が好むものだ。もしオーバーエイジをFWで使うならば、前者のタイプの選手であろう。今予選ではこのタイプにオナイウと鈴木武蔵が起用されたが、守備に追われる機会が多く、前線で起点になることができなかった。もちろん、久保、浅野についても満足のいく結果は得られなかったが、特徴はしっかりと出た。そのことを考慮するとフィジカルタイプの選手をオーバーエイジで起用することが考えられる。

 私の中で真っ先に出てきた選手は【大迫勇也】だ。鈴木武蔵のようなスピードやオナイウのような高さはないが、どちらも高水準なレベルにある。更には大迫にはキープ能力もあり、ポストプレーの質が高い、前線からの守備も献身的に行えるため打ってつけの選手だ。自身の五輪は落選したこともあり、今回オーバーエイジで出場する可能性はあるだろう。

MF

 今予選でのMF陣は非常に評価が難しい。全体的に守備での貢献度は高かったが全体を通してみるとなかなか別格級の活躍をした選手がいない。五輪出場を決めた試合での原川やサウジアラビア戦の井手口、イラン戦での中島と試合ごとに活躍した選手はいるが、このポジションでオーバーエイジを使うことも考えられる。

 ただ、オーバーエイジを考える上で難しいのは手倉森監督のサッカーである。現代サッカーのように中盤でゲームを作るのではなく、中盤の選手はワイドに開いて前線で起点を作るサッカーであるために選手選びが難しくなる。例えば日本の10番の香川真司が入ってもあまり活躍できないだろう。手倉森監督のサッカーに合うMFは2列目では献身的に守備を行え、攻撃では個人で打開できる選手で、ボランチでは相手の攻撃の芽をいち早く摘み、前線にボールを供給できる選手である。

 そのことを踏まえオーバーエイジ候補を挙げるならば、2列目では【水沼宏太】や【清武弘嗣】でないだろうか。水沼は豊富な運動量を武器に中盤でいきる選手で、清武に関してはワイドな位置からでも前線にアシストが期待できる。ただどちらも個人で打開することが得意な選手でないためこのポジションでオーバーエイジを使う必要はないかもしれない。中島、南野、矢島と正直オーバーエイジを使いたくなるが手倉森監督のサッカーに合う人材がいないのも事実である。

 その逆にボランチには手倉森監督好みの選手が多くいるように感じる。その中でも可能性がありそうな選手が【青山敏弘】【米本拓司】【永木亮太】の3選手である。
 青山はサンフレッチェでもわかるように中盤でボールを奪取してからの前線へのアシストが武器で浅野との相性も良い。米本についても中盤で相手の攻撃の芽を摘むということに関してはJリーグNo.1の選手で手倉森監督が好みそうな選手である。永木は豊富な運動量で中盤の汗かき役にもなれ、前線にも多く絡むことができる。プレースキッカーとしても優秀なことは絶対的なキッカーがいないリオ世代には魅力であろう。