イエロー&ブラック欧州を駆ける

 2014年10月5日、アントワープ中央駅でロケレンまで往復の切符を購入した。

 スポルティング・ロケレンは2000年に近隣四つのクラブが合併し現在の運営に。チームカラーは黄色と黒。この二色はベルギーの国旗にも用いられているが、ドイツとベルギー以外でブラックが使われているデザインの記憶はない。黒といえば《喪の装いを》連想するため敬遠されるのもわかる気がする。
 現実に参列したことはないが、ドラマや映画で墓地の十字架を前に使者を弔うシーンはよく目にする。
 
 日本でも江戸時代の白装束から、明治以降喪服が黒に変ったのも欧米の影響らしい。

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 スポルティング・ロケレン対KVオ―ステンデ戦。

 スタメン過半数をベルギー人が占めるクラブはジュピラー・プロリーグでは少数派。記者席から肉眼ではわかり難いが、望遠レンズ越しにならば誇らしげに縫い付けられたベルギー国旗のワッペンがうかがえる。

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【左にオフェルメール、中央にニル・デ・バウ】

 このチームの主将は背番号7のキリアン・オフェルメール。赤い悪魔の主力が揃う北京五輪世代の1985年生まれ。2008年には五輪だけでなくA代表のフレンドリーマッチにも出場している。猫の目のように選手が動くこの国で、下部組織からロケレン一筋。地元サポーターに愛されておりクラブの象徴たる選手はローカルクラブにとって極めて重要な存在。

 昨季ロケレンはUEFAヨーロッパリーグの予選を初めて突破。第二話では今季のシャルルロワの予選敗退にふれているがロケレンにとって初の快挙。本戦出場を成し遂げると、第二節ではウクライナの常連メタリストハリキフから初勝利をあげた快進撃の余韻冷めやらぬスタディオン。
 立役者は左サイドから切り込んで豪快にミドルを突き刺したニル・デ・パウ(1990年生まれ)。得点とその名はクラブの歴史に刻まれた。2008年トップチームと契約、二歳年下のローラン・デ・ボックと共に近年ロケレンユースが輩出した逸材といえる。キンシャサ出身コンゴの二重国籍、現在25歳とキャリアのピークを迎える。
 
 しかし日本での知名度ならば前回のW杯ブラジル大会、日本代表の行く手を阻んだコートジボアール代表の守護神ブカバル・バリーがNo.1か。2010年南アフリカ大会でもポルトガルと韓国を完封した大ベテランはその後も健在。ロケレンには2007年から在籍の古株。

 余談以外の何ものでもないが、岡田武史元日本代表監督がオーナーを務めるFC今治(いまばり)に将来このゴールキーパーを招聘できないだろうか。今治市のご当地ゆるキャラ、バリィさんとの共演は、実現すれば一般メディアもかなり喰いつくはず。

【バリー(左)とレイェ(右)のアフリカコンビ】
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ギリシャ人ストライカーの記憶

 他のスタメンからピックアップすると右サイドはギリシャ人のゲオルギオス・ガリツィオス(1986年生)。オリンピアコス時代には2009-10年のUEFAチャンピオンズリーグ、リエージュ戦にフル出場した実績が印象に残ったのか11-12シーズン、オリンピアコスとの契約終了後ロケレンが獲得した。

 この日2ゴールはセンターバックのスイス人マリッチ(1984年生まれ)。その名前が示す通り彼もクロアチアとの二重国籍。写真は3点目PKのシーン。