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欧州蹴球文化探訪 ベルギーの光と闇 第十二話 バスクとエーゲ海の壁

 一方ベルギーはドイツ大会予選敗退、08年の北京五輪銅メダルで期待された若手の成長も間に合わず南アフリカ大会も続けての憂き目を見る。ヴィツェルもデ・フールも誌面で名前をかじった程度、プレーを映像で見たことすらなかった。チャンピオンズリーグのグループHはアーセナルとオリンピアコスが勝ち点を二桁で余裕の突破当、スタンダールは1勝3敗2分。辛うじてオランダ王者AZを1ポイント上回りヨーロッパリーグ出場の権利を運良く手にした。当然パナシナイコスの勝利と思っていただけに紙面を開いて驚く。

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 2010年の4月1日準決勝、真っ赤に染まったリスボンのエスタディオ・ルスの熱狂に筆者が陶酔している同時刻ベルギーの“赤”はドイツの青に敗れたことを、翌朝の紙面で知る。
 第一回の大会決勝はハンブルグのフォルクスパルクシュタディオン。モチベーションの高さでハンブルグはベルギーの二強を紙一重の差で退けた。しかしフルハムの前にまさかの敗退。

 スタンダールに敗れたもののオリンピアコスの連覇を阻み6年ぶりに二冠(リーグとカップ戦)の美酒に酔ったパナシナイコスだけでなくギリシャ全土を悪夢が襲う。政府が財政悪化により総額1100億ユーロの金融支援実施。
 覇権奪回と大型補強に踏み切ったオリンピアコスは、スタンダール出身のベルギー代表ケビン・ミララスをサンテティエンヌから獲得するも二シーズンで英プレミアに売却。各クラブの主力が去り、神殿など古代遺跡だけが五輪発祥の国に残った。

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 今季チャンピオンズリーグ予選 パナシナイコスはブルージュの前に敗れ去った。昨季ELベスト4入にまで勝ち抜いたベルギーの強豪を前にクローバーのエンブレムの威光は影を潜め、もはや「古豪」である現実は否めない。

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 現在もギリシャが深い闇から這い上がる方策が模索される折、中国がギリシャ最大のピレウス港買収のニュースが飛び込んできた。
 2015年12月、ユーロ圏の金融支援により四銀行の経営破綻は回避されている。一年前の15年1月、チプラス政権の発足後「反緊縮」政策による預金流出で混乱を増したギリシャ経済に光明を射すのか注目される今回の買収劇。混迷の中、新しい年の戦いの火蓋は既に切って落とされている。