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29 12, 2018

シーガルズのなでしこリーグ1部昇格ならずも、日本サッカーの中心地は神奈川にアリ!

By | 2018-12-29T00:56:37+00:00 12月 29th, 2018|Categories: なでしこジャパンコラム, なでしこリーグコラム, なでしこリーグ観戦記|Tags: , , , , , |0 Comments

 こんなにも残酷な幕切れがあるのか?残留争いと昇格争いは通常のリーグ戦の中で行われるが、入替戦は当該チームのホーム&アウェイによる直接対決2試合に凝縮される。技術・フィジカル・戦術を越える1部残留、または1部昇格へ向けた全ての要素が網羅されたような濃密な入替戦だった。  『2018プレナスなでしこリーグ1部・2部入替戦』の第2節。今季のなでしこリーグ全日程を締め括るのは、なでしこリーグ1部を9位で終えた日体大FIELDS横浜と、同2部2位に躍進したニッパツ横浜FCシーガルズによる平成最後になるであろう、“横浜ダービー”となった。 初戦の振り返り~痛感した「1部と2部の差」  シーガルズの神野卓哉監督は入替戦を控えた取材で、「ウチは秘策もないし、できない」とし、就任から1年半かけて愚直に徹して来た球際の強さや攻守の切り替えの速さといったハードワークを武器に戦うことを宣言していた。    試合開始から15分間は前から徹底的にラッシュをかけて“奇襲攻撃”を仕掛けるのは、確かに“奇襲”かもしれないが、ハードワークを武器にする格下のチームが上のカテゴリーのチームと対戦する際に用いる常套手段である。ただし、神野監督はそこに1つだけ“策”を用いた。それが本来は2トップの1角としてプレーするFW高橋美夕紀(背番号15)の右サイドMFとしての先発起用だった。「すごく調子が良かったので、初めてさせるポジションだったが、『楽しい』とプレーしてくれた」(神野監督)  指揮官の期待通り、シーガルズは試合開始からチーム全体がアグレッシヴに前に出て戦う。そして開始8分、左サイドからのクロス。ファーポストに先発抜擢の高橋が飛び込んで合わせたシュートで大きな先制点を奪った。3バックを採用し、守備時は両ウイングバックを下げた5バック化で守る日体大に対して、2本のサイドチェンジを交えて揺さぶった狙い通りの得点だった。  しかし、セットプレーで14分に同点にされると、徐々に選手個々の技量で上回る日体大が試合の主導権を握り始め、後半は時間の経過と共にスタミナ切れも起こしたシーガルズとの“差”が鮮明になっていった。単純なスピードや試合展開や判断の早さ、ボールを受けた際のトラップからのワンタッチでの持ち運びなどには、「1部と2部の差」が大いにあるように感じさせられた。  そして55分、日体大の左WB今井裕里奈によるカットインからの豪快なミドルシュートが炸裂。逆転を許したシーガルズはアウェイゴール2点を失っての逆転負け。クラブ史上初の1部昇格へ向けて、第2節では1-0の勝利でも不十分となり、「2得点以上奪っての勝利」が昇格への条件という厳しい状況となった。  特に2部得点王の元日本代表FW大滝麻未がゴール前で仕事をする機会が皆無に近かったのが痛かった。彼女自身は密着マークに遭いながらもターンして前を向き、何とか攻撃の起点を作っていた。ボールタッチも少なくなかったのだが、彼女自身が“出し手”になっていたためだった。第2節へ向け、勝利はもちろん、まず2得点以上がノルマとなるシーガルズにとって、得点源となる「大滝の活かし方」が改めて問われる初戦だった。 大滝を最前線に固定し、5レーンを埋める緻密な攻撃  迎えた第2節。会場は横浜に本拠を置くチーム同士とあって、初戦のニッパツ三ツ沢球技場の隣にある三ツ沢公園陸上競技場が舞台となった。試合開始直前にやや強めの雨が降り始めた13時、今季のなでしこリーグ最後の試合がキックオフされた。(上記写真の背景になっている外観は初戦の球技場。)  試合開始1時間前にもらったメンバー表を見て意外だったのは、両チーム共に先発イレブンもベンチ入り選手も全て同じメンバー構成だったこと。特に2得点以上が昇格の条件となるシーガルズは、攻撃の単調さが顕著だっただけに意外だった。  しかし、試合が始まってから初戦とは違った変化はハッキリと見えた。オーソドックスな<4-4-2>で真っ向勝負し、キックオフから激しいラッシュをかけた初戦とは違い、この日は最前線に大滝1人を固定し、その下に右から高橋・中村みずき・佐藤渚を並べるようなイメージで、さらに高橋を内側に絞らせて右SBの大島瑞稀が攻撃参加。自陣にセットした守備で5バック化した日体大の壁に対して、シーガルズはピッチを縦に5分割した各レーンに選手を配置し、緻密な攻撃に着手した。  ただし、この日の前半は初戦で1点+アウェイゴールでリードしている日体大が両WBを完全に自陣に下げた<5-4-1>で慎重な戦いを選択していたこともあり、2試合を通して唯一となる所謂「入替戦の戦い」を象徴する硬い試合展開となった。  それでも、この試合の序盤からシーガルズは、左サイドMF佐藤渚の突破力が冴え、10分にはゴールライン際まで突破してからのクロスがゴールへ吸い込まれるというプレーも。(ゴールラインを割った判定でノーゴール)  そして、初戦でファン・サポーターの方々の投票で決まる『MIP賞』を受賞したMF小須田璃菜の幅広い運動量とボール奪取力は、勝負の後半にチームを押し上げる推進力となる。 起死回生!大滝の同点ゴールで意気上がるも残酷な幕切れ  後半、シーガルズはボランチの山本絵美が1列上がり、小須田をアンカーに残した<4-1-4-1>のような布陣に微修正。ここにSBの攻撃参加も加え、5バック化する日体大を崩しにかかる。また、この日は前半を省エネで抑えられたこともあり、スタミナ面の心配は感じさせなかった。  そして53分、佐藤が左サイドのスペースに出されたボールに粘り強く競ってDFを交わし、ゴール前に速いクロスを供給すると、中村が巧みなタッチで合わせて先制点。しかし、この段階では2試合合計2-2のアウェイゴール差で負けている状態だった。  しかし、勢いが出たシーガルズが攻勢に転じていた矢先だった。71分、自陣でのバックパスからGK新井翠がボールをかっさらわれ、日体大FW李誠雅に1-1(2試合合計3-2)となるゴールを許す。ミスからの失点だったが、守護神・新井は初戦を好守で2失点に凌ぎ、第2節へ望みを繋いだ最大の功労者。そんな彼女のミスにチームメートが応えた。

28 10, 2018

なでしこリーグ2部最終節を前に、想うこと

By | 2018-10-28T09:15:50+00:00 10月 28th, 2018|Categories: なでしこジャパンコラム, なでしこリーグコラム, なでしこリーグ観戦記|Tags: , , , , , , , |0 Comments

 大混戦の『プレナスなでしこリーグ2部』も10月28日の第18節=最終節を残すのみとなった。そして本日の最終節は全会場が同時刻のキックオフとなる。  大混戦とはいえ、すでに3試合を残しての伊賀フットボールクラブくノ一の優勝が決まっている。そして、先週末の第17節の結果により、9位・バニーズ京都SC、最下位となる10位・岡山湯郷Belleの順位が確定した。  伊賀はなでしこリーグ1部への自動昇格を勝ち取り、逆に、名門・湯郷は来季3部相当のプレナスチャレンジリーグに自動降格することになった。そして、バニーズはなでしこ2部残留を懸け、12月に予定されているチャレンジリーグ2位のFC十文字VENTUSとの入替戦に挑む。(以下の順位表を参照。〇囲みの順位は確定順位。)  来季チャレンジリーグへの自動降格が決まった湯郷は、「女子サッカーで町興し」に成功したチームだったが、チーム運営面での問題が表面化してからは悪化の一途を辿るいっぽうだった。自動降格は毎年1チームが直面することなので、結果に対しては仕方がない。  それでも、「女子サッカーの聖地=通称“ラサ”」岡山県美作ラグビー・サッカー場は、趣のある素晴らしいサッカー場。  そして、そのラサ近くにある『喫茶ゴンベ』。  選手達も御用達である店内には岡山湯郷Belleに関するあらゆることが日付入りで記録されている。お客さんはもちろん湯郷のサポーターばかりだが、同時に女子サッカー全体のファンであり、元日本代表の主将MF宮間あやによる、「女子サッカーを文化に」、という言葉を最も感じられる場所だ。  問題は山積みだろうが、湯郷にはチーム再建を果たしてもらいたい。 なでしこ1部との入替戦進出を賭ける4チーム  そして、なでしこリーグ1部で9位となったチームとの昇降格入替戦進出となる2位の座の行方。こちらが今季のなでしこ2部で最も熾烈を極めている。一時は10チーム中の7チームが勝点3差でひしめく大混戦だったが、最終節を迎えた現在、2位の可能性を残すのは4チームに絞られた。  まず、最終節を2位で迎えたのは、ニッパツ横浜FCシーガルズ。ここまでの全17試合で10ゴールを挙げ、得点ランクトップを走る元日本代表FW大滝麻未(上記写真:背番号30)が牽引するシーガルズ。シーズン当初は得点も失点も少ない堅守速攻型のチームだったが、大滝の爆発により、独走優勝を果たした伊賀の27得点を上回るリーグ最多の30得点を記録するダイナミックなチームへと進化して来た。  前節、シーガルズはホームに勝点で並んでいたASハリマアルビオンを迎え、1-0で勝利。2位争いの直接対決に勝ち、2位キープに成功。最終節・スフィーダ世田谷FC戦を有利な状況で迎えた。  とはいえ、追いすがるチームもいる。昨季なでしこ1部を戦った、ちふれASエルフェン埼玉だ。今季は“昇格請負人” の元日本代表コンビ=MF伊藤香菜子とFW荒川恵理子が3度目のチーム加入。前半戦こそ苦戦したが、今季より就任した菅澤大我監督のサッカーも浸透し、後半戦に入って4勝4分の無敗。確実に勝点を積み重ね、現在3位。シーズン最終盤になって2位争いの本命にまで押し上げて来た。  ただ、勝点で「1」差、得失点差で「3」、総得点だと「5」の差があるシーガルズとの差を逆転するには、最終節のバニーズ戦は、もう引き分けでは許されない。シーガルズが4点差以上の負けなら、引き分けでも、ちふれが2位の可能性があるが現実的ではないだろう。  懸念は、シーガルズも、ちふれも、最終節を敵地で迎えるところだ。  逆に無敗街道を走りながら、ここへ来てアウェイ連戦を連敗で終え、4位へ後退したハリマはホームで最終節を迎える。相手は5位で、ハリマと共に2位の可能性を残すオルカ鴨川FC。  両チームが2位になるには、シーガルズが敗れ、ちふれが引き分け以下に終わるという条件を前提としながら、自分たちは大量得点での勝利が必須となる奇跡が必要だが、2位の可能性を残しながら唯一ホームで試合を行うハリマには奇跡を起こしてもらいたいところだ。 【関連記事】『公式戦9戦無敗!2位浮上のASハリマアルビオンの快進撃を追う!』 なでしこリーグ2部を取材する者として

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