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旧ユーゴが強い理由を垣間見れたセルビア

丸山龍也選手画像

 セルビアでは結局契約できませんでしたが、非常に良い経験が出来ました。

 2部のクラブに練習参加しましたが、チームには欧州制覇の経験もあるレッドスターからのレンタル選手や代表経験者もいて、非常にレベルが高かったです。シーズンインの2週間程しか練習参加できませんでしたが、パルチザン・ベオグラードのセカンドチームとの練習試合にも出場し、多くの経験を積めました。

 セルビアという国は、もともとサッカー的な能力の高い選手が多い。彼らは純粋にテクニック的にも優れていますし、さらに決して環境の整った国ではないことから、軟弱なピッチや深い芝生の上でも平気でプレーするタフさも持っています。
しかも攻撃的な民族である国民性が影響してか、練習から当たりは激しいし、勝負に対するこだわりもかなり強いです。

 それに加えて、旧ユーゴ圏は多数の名指導者も排出している地域です。日本でもイビチャ・オシム、ハリルホジッチなど歴代の代表監督やJリーグの指揮官など、結果を残している監督の数はとても多いことはご存知だと思います。
恐らく、何か他の国とは違うことを意識しているのかと想像していましたが、少しその真相に迫ることが出来ました。

 セルビアではトレーニング前に非常に戦略的・戦術的な話を、ボードを使って綿密に行ってからトレーニングに入ります。
下部組織のチームも同様でして、このチームだけかな?とチームメイトに尋ねたところ「セルビアでは良くある」とのことでした。

 日本や他の国でも試合翌日の練習などではそういうこともあると思いますが、非常に頻度が高かったのが印象的です。2部練習の際も、午前午後共に、その辺りを確認してから練習に入るなど、徹底されていました。

 テクニックもあり、闘争本能にも優れ、悪条件にも強く、さらに戦術的な感覚も持ち合わせている。さらにファンも熱く、国民も非常にサッカーに対して好意的な印象を持っているなど、お金がない国だということを除けば、サッカーに対してすべてが揃っているような気さえしました。ユーゴスラビアが「東欧のブラジル」と恐れられていた理由がほんの少しだけ分かったような気がした滞在でした。